株式明日の戦略-後場に戻して陽線を形成、月初高は見られるか

 30日の日経平均は4日続落。終値は58円安の27968円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり488/値下がり1287。日本郵船や商船三井など海運株が大幅上昇。リリースや証券会社のリポートを材料に防衛関連の三菱重工、川崎重工、IHIが買いを集めた。前日の急落を誘ったメディア記事に対してコメントしたエーザイが商いを伴って3%を超える上昇。米金利上昇からドル高が意識されたことで、SUBARUやマツダなど自動車株に資金が向かった。子会社設立を発表したセーラー広告が一時ストップ高となるなど値を飛ばし、年初来高値を更新した。

 一方、ナスダック安を受けてHOYAやキーエンスなどグロース株の一角が大きめの下落。直近で強く買われていた東京海上や三菱UFJなど金融株は、米長期金利の上昇は支援材料にはならず売りに押された。日本電産はイタリアの工作機械メーカー買収が好感されず終日軟調。ウエルシア、アインHD、ツルハHD、スギHDなどドラッグストア株が総じて弱かった。日経観測に沿った業績フォーキャストを出してきたADワークスは、株主優待の廃止が嫌気されて急落した。

 本日グロースに新規上場したウェルプレイド・ライゼストは、eスポーツ事業を展開するという業態妙味もあり、買い殺到で初値は持ち越しとなった。なお、親会社のカヤックは、同社の上場承認以降、人気化していたこともあり、きょうは材料出尽くしで11%安と大きく値を崩した。

 日経平均は安く始まった後は下を試して切り返し、ローソク足では陽線を形成した。安値は27802円までで、きっちり25日線(27791円、30日時点)がサポートになっている。4日続落で値ごろ感は出てきており、ここで反転できれば、調整一巡が強く意識される。あすから12月相場に入るが、今年は月替わりで強い買いが入る場面もあった。今回もそういったことがあっても良さそうな雰囲気はある。米国ではパウエルFRB議長の講演が予定されていたため、これが米国株の動意材料となるかが大きく注目される。日本株はここ数日、物色の柱が不在だが、見方を変えれば、グロース向きの地合いにもバリュー向きの地合いにも対応できると言える。月初の株高に期待したい。

(小針)
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