欧州マーケットダイジェスト・2日 株まちまち・金利上昇・ドル行って来い

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.65円(2日15時時点比▲0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.73円(▲0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0525ドル(△0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:7556.23(前営業日比▲2.26)
ドイツ株式指数(DAX):14529.39(△39.09)
10年物英国債利回り:3.154%(△0.054%)
10年物独国債利回り:1.856%(△0.042%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
10月独貿易収支         69億ユーロの黒字 28億ユーロの黒字・改
10月独輸入物価指数
前月比                ▲1.2%     ▲0.9%
前年比                23.5%      29.8%
10月仏鉱工業生産
前月比                ▲2.6%    ▲0.9%・改
10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
前月比                ▲2.9%      1.6%
前年比                 30.8%      41.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が11月30日の講演で「早ければ12月にも利上げ幅を縮小する可能性がある」と指摘すると、米利上げ減速観測が強まり全般ドル売りが進行。この日もドル売りの流れが継続し、一時133.63円と8月16日以来の安値を更新した。
 ただ、米労働省が発表した11月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比26.3万人増と予想の20.0万人増を上回り、平均時給が前月比0.6%/前年比5.1%と予想の前月比0.3%/前年比4.6%を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに一転ドル買いが優勢に。23時前には一時135.98円と日通し高値を更新した。なお、米10年債利回りは一時3.63%台まで急伸した。
 もっとも、買いが一巡すると次第に上値が重くなり、2時30分過ぎには134.45円付近まで下押しした。市場では「賃金の伸びは予想を上回ったが、3月にピークを付けたことは明らか。FRBが今月の会合で利上げペースを減速する軌道に変化はないだろう」との声が聞かれた。

・ユーロドルは底堅い動き。しばらくは1.05ドル台半ばでの推移が続いていたが、良好な米雇用統計をきっかけに全般ドル買いが強まると一時1.0429ドルと日通し安値を付けた。ただ、市場では「FRBが利上げペースを減速する」との見方に変化はなく、徐々に買い戻しが優勢に。2時過ぎには1.0534ドル付近まで持ち直し、米雇用統計後の下げを取り戻した。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、「ユーロ圏のリセッションの可能性は高い」としながらも「深刻な景気後退とはならない」との考えを示した。また、「現状の高いインフレ率は3-4カ月程度続くものの、2023年半ばには7%程度に落ち着くだろう」と語った。

・トルコリラ円は一時7.16円と昨年12月以来1年ぶりの安値を更新した。同国のインフレ率が高止まりしているにもかかわらず、トルコ中銀が利下げを継続していることがリラを誘っている。

・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時140.77円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時30分過ぎには142.19円付近まで持ち直した。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。米景気の減速懸念やアジア株相場の下落を背景に、運用リスクを回避する売りが優勢となった。原油先物相場の上昇一服で、BPやシェルなどエネルギー株に売りが出た。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われ、相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。良好な米雇用統計をきっかけにFRBによる金融引き締めの長期化が改めて意識されると売りが強まる場面もあったが、すぐに持ち直した。個別ではボノビア(2.96%高)やフレゼニウス・メディカル・ケア(2.47%高)、フレゼニウス(2.04%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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