株式明日の戦略-米国株安を跳ねのけて上昇、下値不安が大きく後退

 6日の日経平均は続伸。終値は65円高の27885円。市場予想を上回る11月ISM非製造業指数を受けて米国株が大幅安となったことから、寄り付きは3桁の下落。しかし、27700円を割り込んだところですぐに切り返し、早い時間にプラス圏に浮上した。米長期金利の上昇を手がかりに金融株やバリュー株に強い動きが見られた。しばらく前日終値近辺でもみ合った後、11時辺りから上げ幅を広げて前場は高値引け。後場は買いは一巡したものの大きな失速もなく、27900円近辺でのもみ合いが続いた。引けにかけてやや萎んだ分、大引けが後場の安値となった。マザーズ指数は安く始まった後は場中の動きも弱く、1.6%安と大きめの下げとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5800億円。業種別では保険、鉄鋼、その他製品などが上昇している一方、鉱業、精密機器、サービスなどが下落した。売り出し価格が決まった野村総合研究所<4307.T>に見直し買いが入って5%を超える上昇。全市場の売買代金ランキングではトップ5入りするなど、商いも膨らんだ。半面、新株予約権の行使許可を行うことを決定したKLab<3656.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり723/値下がり1044。米長期金利の上昇を受けて、第一生命、MS&AD、みずほFG、りそななど、金融株が全般上昇。為替が円安に振れたことから、マツダやSUBARUなど自動車株にも買いが入った。米国のグロース株は弱かったが、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど、国内半導体株は上昇した。上方修正を発表したダイコク電機が急騰しており、マミヤOP、マースGHD、円谷フィールズなど、パチンコ関連に買いが波及した。

 一方、前日弱かったグロース株が売られており、ウェルプレイド・ライゼストがストップ安。ANYCOLORが11.3%安と連日で2桁の下落率となった。バンクオブイノベーションは新作ゲームに関するリリースも売り材料とされて11.3%安。ワールドカップで日本が敗退したことから、サイバーエージェントやハブが売りに押された。中古車データから価格高騰のピークを指摘した証券会社のリポートを材料に、ネクステージやIDOMが大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたソフトバンクGが軟調となった。

 日経平均は続伸。総じてバリュー株が強かったが、米長期金利が上昇してナスダックが弱かった中でも、レーザーテックやアドバンテストなど大型グロース株に買いが入ったことには意外感がある。とは言え、足元では米国の利上げペース減速期待が高まっており、12月FOMCは来週に迫っている。5日のナスダックの反応が神経質すぎただけと考えられなくもない。テクニカル面を見ると、日経平均は27400円近辺、TOPIXは1925p近辺に週足の節目が集中しており、これらは下のサポートとなるだろう。きょうはどちらもそこまで深押しすることはなく、その上にある75日線も割り込まなかった。良い動きが見られた後だけに、米国株が大崩れするようなことがなければ、あすは大きく水準を切り上げる展開にも期待が持てる。
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