欧州マーケットダイジェスト・7日 株安・金利低下・円高・ユーロ失速

(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.34円(7日15時時点比▲1.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.40円(▲0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0518ドル(△0.0052ドル)
FTSE100種総合株価指数:7489.19(前営業日比▲32.20)
ドイツ株式指数(DAX):14261.19(▲82.00)
10年物英国債利回り:3.044%(▲0.032%)
10年物独国債利回り:1.782%(▲0.018%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月スイス失業率           2.0%       1.9%
10月独鉱工業生産
前月比                ▲0.1%     1.1%・改
前年比                0.0%      3.1%・改
10月仏貿易収支       121.50億ユーロの赤字 171.67億ユーロの赤字・改
10月仏経常収支         38億ユーロの赤字  73億ユーロの赤字
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
前期比                0.3%       0.2%
前年同期比              2.3%       2.1%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重い。7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値が前期比0.3%/前年比2.3%と予想の前期比0.2%/前年比2.1%を上回り、改定値から上方修正されたことが伝わると、ユーロ圏の景気悪化への警戒感がやや和らぎユーロ買い・ドル売りが先行した。23時過ぎには一時1.0550ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、5日に付けた6月28日以来の高値1.0595ドルがレジスタンスとして働くと失速した。プーチン露大統領が「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」と発言すると、ユーロ圏経済への懸念が再燃し、一時1.0488ドル付近まで下押しした。

・ドル円は軟調だった。しばらくは137円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると弱含んだ。米10年債利回りが3.40%台まで低下したことで円買い・ドル売りが優勢となり、2時30分前に一時136.27円と日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.88まで低下した。

・米ドルカナダドルは一転下落した。日本時間夕刻に一時1.3700カナダドルまで値を上げたものの、24時過ぎには1.3590カナダドルと日通し安値を更新した。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を0.50%引き上げ、4.25%にすると決めたと発表。市場の一部では0.25%の利上げを予想する向きもあっただけに、金利発表後はカナダドル買いで反応した。
 ただ、声明では「インフレは依然として高く、広範囲に及んでいる」「短期のインフレ予想は上昇している」として、高インフレが定着するリスクを改めて強調したものの、「利上げが必要」との文言を削除し、今後については「需給のバランスを取り戻し、インフレ率を目標値に戻すために、一段の利上げが必要かどうかを検討する」と説明。利上げサイクルが終了に近づいている可能性を示唆したことで、カナダドル買いでの反応は一時的だった。

・ユーロ円は頭が重い。22時前に一時144.58円と本日高値を付けたものの、ドル円の下落やユーロドルの伸び悩みにつれた円買い・ユーロ売りが入ると143.30円付近まで上値を切り下げた。

・ロンドン株式相場は続落。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から、投資家がリスク回避姿勢を強めると株売りが広がった。原油先物価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株は買われた。

・フランクフルト株式相場は3日続落。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測に加えて、欧州中央銀行(ECB)も利上げを継続するとの見方が強く、株売りを誘った。個別ではポルシェ(2.33%安)やエアバス(2.19%安)、コベストロ(1.65%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。

(中村)
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