ニューヨーク外国為替市場概況・7日 ユーロドル、3日ぶり反発

 7日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.0506ドルと前営業日NY終値(1.0467ドル)と比べて0.0039ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値が予想を上回ったことで、ユーロ圏の景気悪化への警戒感がやや和らぎユーロ買い・ドル売りが先行。23時過ぎには一時1.0550ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、5日に付けた6月28日以来の高値1.0595ドルがレジスタンスとして働くと伸び悩んだ。プーチン露大統領が「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」と発言したことも相場の重しとなり、一時1.0488ドル付近まで下押しした。

 ドル円は3日ぶりに反落。終値は136.62円と前営業日NY終値(137.00円)と比べて38銭程度のドル安水準だった。しばらくは137円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NY勢が本格参入する時間外に入ると弱含んだ。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが米経済を悪化させるとの懸念が根強い中、米10年債利回りが一時3.4006%前後と9月15日以来の低水準を記録。円買い・ドル売りが優勢となり、3時過ぎに一時136.22円と日通し安値を付けた。

 ユーロ円は小反発。終値は143.52円と前営業日NY終値(143.39円)と比べて13銭程度のユーロ高水準。22時前に一時144.58円と本日高値を付けたものの、ドル円の下落やユーロドルの伸び悩みにつれた円買い・ユーロ売りが入ると143.27円付近まで下押しする場面があった。

 米ドルカナダドルは下げ渋った。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を0.50%引き上げて、4.25%にすると決めたと発表。市場の一部では0.25%の利上げを予想する向きもあっただけに、金利発表後はカナダドル買いで反応した。24時過ぎに一時1.3590カナダドルまで値を下げた。
 ただ、声明では「インフレは依然として高く、広範囲に及んでいる」「短期のインフレ予想は上昇している」として、高インフレが定着するリスクを改めて強調した一方、「利上げが必要」との文言を削除し、今後については「需給のバランスを取り戻し、インフレ率を目標値に戻すために、一段の利上げが必要かどうかを検討する」と説明した。利上げサイクルが終了に近づいている可能性を示唆したことで、カナダドル買いの勢いは長続きしなかった。

本日の参考レンジ
ドル円:136.22円 - 137.86円
ユーロドル:1.0443ドル - 1.0550ドル
ユーロ円:143.17円 - 144.58円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。