ロンドン為替見通し=ユーロドル 上値余地を探る展開か、ECBではストライキの可能性も

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、米インフレ鈍化が期待されるなかで上値余地を探ることになるか。本日の欧州午後(日本時間22時30分)には、鈍化予想の11月米卸売物価指数(PPI)が発表される。来週もまた、低下見込みの11月米消費者物価指数(CPI)が米連邦公開市場委員会(FOMC)控えているため、ドルの地合いは強まり難そうだ。
 
 ユーロドルは今週下げた局面でも1.0440ドル台に位置している日足一目均衡表・転換線が支持水準としてしっかり機能した。ここからは(執筆時1.0570ドル前後)6月以来の1.06ドル台が意識され、大台乗せに成功した場合は同月28日高値1.0615ドルや同10日高値1.0642ドルをこなせるかがポイントとなるだろう。

 なお欧州中央銀行(ECB)は来週、今年最後の定例理事会を開催する。そのECBで、職員がストライキを起こす可能性があるという。職員に提示された来年の賃金上昇率が約4%と、年間インフレ率の半分以下というのが労使対立の原因とされた。実際に労働組合がストライキを決行した場合、理事会にまで影響があるかは未知数だが、ECBと組合の協議の行方は注意しておきたい。

 欧州序盤には11月ノルウェー消費者物価指数(CPI)が発表される。前年比予想は7.0%と前回7.5%から減速見込み。ただ同指数は6月から9月までは6%台で推移しており、インフレ頭打ちとはまだ言い切れない。

 15日にはノルゲバンク(ノルウェー中銀)が政策金利を公表する。前回は「2.25%から2.50%に引き上げ」と市場予想(2.75%に引き上げ)よりも小幅な利上げ幅が決定された。CPIの結果次第で15日への思惑が交錯し、ノルウェー・クローネ(NOK)は神経質な動きとなるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは6月10日高値1.0642ドル、NOK円は11月末の高値圏14.12円前後。

想定レンジ下限
・ユーロドルは昨日安値1.0490ドル、NOK円は9月下旬の下押し水準13.15円前後。


(小針)
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