株式明日の戦略-注目イベント通過、指数ベースで方向性が出てくるか

 15日の日経平均は3日ぶり反落。終値は104円安の28051円。

 個別の値上がり率上位では、1Q決算の通期計画に対する高進ちょくが好感されブラスがストップ高となったほか、今期の2ケタ増益予想を発表したクミアイ化学が急騰。年初来高値更新のユーグレナはマレーシアでバイオ燃料製造プラントの建設・運営プロジェクトを共同検討していると発表したことが好感された。通期最終損益予想を上方修正した安永や、今期営業利益2.2倍を見込むマネジメントソリューションズなども大幅に買われた。
 一方、値下がりでは、通期営業利益予想を下方修正したHameeが年初来安値を更新。鎌倉新書やヤーマン、グッドコムアセットが利益確定売りで下げたほか、SansanやSHIFTなど中小型グロース株の一角が軟調に推移した。

 あすは反発か。海運や半導体・ハイテク関連、防衛関連、インバウンド系などへの日替わり物色が続く公算が大きい。日経平均は5日線が25日線を上回る好転サインがみられたことで、今晩の米国市場が大きく下げることがなければ、あすは半導体・ハイテク関連を中心に堅調な展開が予想される。きょう業種で最下位に並んだのが日経平均への寄与が大きいサービス、電機機器、精密機器などのハイテク・グロースであり、リターンリバーサルの観点でも狙い目だ。
 マザーズ指数も値崩れはなく保ち合いが続いており、上放れにつながるかのタイミングとして注目したい。引け後にANYCOLORが業績上方修正とプライム市場への市場変更申請に向けた準備を行っていることを発表した。個別ベースでは不安定な動きが続く可能性は高いが、相場全体の地合いは比較的良好だ。きょうはセルソースやビジョナルを中心に決算で大幅に売り込まれる銘柄が目立ったが、それらが早期に反発につながるかどうかもグロース銘柄への物色意欲に左右する。
 注目イベントだった米CPIやFOMC(連邦公開市場委員会)が通過したことで、日経平均やマザーズなど指数ベースで年末に向け明確な方向性が出てくるかが焦点となる。
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