欧州マーケットダイジェスト・16日 株安・金利上昇・ユーロ安

(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.43円(16日15時時点比▲0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.68円(▲1.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0605ドル(▲0.0040ドル)
FTSE100種総合株価指数:7332.12(前営業日比▲94.05)
ドイツ株式指数(DAX):13893.07(▲93.16)
10年物英国債利回り:3.329%(△0.085%)
10年物独国債利回り:2.152%(△0.069%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比                ▲0.4%     0.9%・改
前年比                ▲5.9%    ▲5.9%・改
12月仏製造業PMI速報値        48.9        48.3
12月仏サービス部門PMI速報値     48.1        49.3
12月独製造業PMI速報値        47.4        46.2
12月独サービス部門PMI速報値     49.0        46.1
12月ユーロ圏製造業PMI速報値     47.8        47.1
12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値  49.1        48.5
12月英製造業PMI速報値        44.7        46.5
12月英サービス部門PMI速報値     50.0        48.8
10月ユーロ圏貿易収支
季調済            283億ユーロの赤字 364億ユーロの赤字・改
季調前            265億ユーロの赤字  344億ユーロの赤字
11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                10.1%      10.0%
11月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                5.0%       5.0%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。欧州中央銀行(ECB)が前日の定例理事会で、金融引き締めに積極的なタカ派姿勢を示したことからユーロ買い・ドル売りが先行すると、欧州序盤に一時1.0663ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、ECBの積極的な金融引き締めがユーロ圏景気の悪化につながるとの懸念から、ユーロの戻りは限定的だった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると、1時30分過ぎに1.0598ドルと日通し安値を更新した。
 なお、12月ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値はいずれも予想を上回ったが、好不況の分かれ目である50を下回ったことから、相場の反応は薄かった。

・ドル円は弱含み。13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを通過したことで、欧州の取引時間帯は137円台前半での緩慢な値動きが続いた。週末を控えて大きな方向感が出にくい面もあった。
 ただNYの取引時間帯に入り、12月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが分かると円買い・ドル売りがじわりと強まった。2時前には一時136.40円と日通し安値を更新した。低調な米指標を受けて一時は3.55%台まで上昇していた米10年債利回りが3.47%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重し。

・ユーロ円は軟調。日本時間夕刻に一時146.40円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値146.60円手前で失速。欧米株価の下落に伴うリスク回避目的の円買い・ユーロ売りが入ると、一時144.68円と日通し安値を付けた。

・ロンドン株式相場は3日続落。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から世界的な景気後退懸念が強まり、株売りが優勢となった。11月英小売売上高が予想を下回ったことも投資家心理を冷やした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が軟調だった。

・フランクフルト株式相場は3日続落。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から、投資家がリスク回避姿勢を強めると株売りが広がった。個別ではボノビア(8.24%安)やザルトリウス(4.23%安)、バイエル(3.80%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBが前日にタカ派的な姿勢を示したことで独国債には売りが続いた。

(中村)
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