東京為替見通し=ドル円、手がかり不足も神経質な動きが続くか

 先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落した。予想比下振れの12月米製造業・サービス部門PMI速報値も材料視され、136.30円まで下押した。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いも重しにユーロドルは1.0585ドルまで弱含んだ。リスク回避の円買いに押され、ユーロ円は144.62円まで下落した。

 主要国の中銀は先週までに今年最後の金融政策会合を通過し、明日に日銀の金融政策決定会合の結果公表を残すのみとなっている。日銀は今回も緩和策を継続して政策変更を行わないと想定され、今週の手がかり不足は否定できないが、今週からクリスマス休暇に入る市場参加者も多く流動性が低下するなか、ドル円は神経質な動きが続く可能性に警戒したい。

 先週に行われた今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)は結局大きな方向感にはつながっていない。0.50%の利上げと4会合続いた0.75%の大幅利上げから利上げ幅は縮小したが、政策金利見通し(ドット・チャート)を前回から引き上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレが持続的な下降経路にあるという確信を得るにはさらに多くの証拠が必要」との見解を示した一方で、ここまでの利上げを経て十分に抑制的な金利水準に近づきつつあるとも述べた。結局は「データ次第」ということで、引き続き米消費者物価指数(CPI)や米個人所得・個人消費支出などの経済指標を確認しながら、方向感を探ることになりそうだ。ドル円は先週同様に134-138円をコアレンジとした上下が見込まれるが、戻りに勢いはなく下方向への警戒感が強い。

(金)
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