株式明日の戦略-日銀ショックに震えた1週間、年内最終週も警戒ムードは強いか

 23日の日経平均は大幅反落。終値は272円安の26235円。米国株の大幅安を嫌気して、寄り付きから300円近い下落。大きく水準を切り下げて始まった後は、方向感に欠ける動きが続いた。26200円台からスタートして序盤では下を試しに行ったが、400円程度下げたところで26100円は割り込まずに売りが一巡。そこからは下げ幅を縮めたが、26300円は超えられず、次第に戻りが鈍くなった。13時辺りからは上にも下にも値幅が出なくなり、26200円台でこう着感が強まった。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆4900億円。業種別では保険、銀行、電気・ガスなどが上昇した一方、海運、非鉄金属、不動産などが下落した。SBIホールディングス<8473.T>およびスクウェア・エニックス・ホールディングス<9684.T>と資本業務提携を行うと発表したgumi<3903.T>が、買いを集めてストップ高比例配分。反面、前期の見通しを引き下げた津田駒工業<6217.T>が大幅に下落した。


 東証1部の騰落銘柄数は値上がり575/値下がり1192。政府のGX実行会議で原発建て替えの具体化が明記されたことを材料に、東電HD、関西電、東北電など電力株が軒並み高。金融株に改めて買いが入っており、三井住友や第一生命が上昇。三菱UFJは全市場の売買代金2位となる大商いで3%超上昇した。証券会社が投資判断を引き上げたエレコムが急伸。メディア記事を手がかりにサイフューズがストップ高となった。

 一方、マイクロン・テクノロジーの決算を受けて米国の半導体株が強く売られたことから、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど主力半導体株がそろって大幅安。川崎汽船など足元の動きが良かった海運株が利益確定売りに押された。エーザイが米メディアの記事を材料に3%を超える下落。買いが先行したマイクロ波化学が急失速してストップ安まで売り込まれた。決算発表の公表延期や前期見通しの引き下げを発表したオプトエレクトロニクスが年初来安値を更新した。

 本日スタンダードに新規上場したアソインターナショナルは公開価格を上回って始まったものの、終値は初値および公開価格を下回った。グロースに新規上場したGENOVAは、公開価格を割り込んで始まり、終値も初値を下回った。

 日経平均は大幅安。場中は下げ渋ったが、直近21日の安値を取引時間中でも終値でも下回っており、まだ下がありそうな売られ方。来週辺りで26000円を割り込み、そこでいったん底打ち感が出てくるかどうかといったところだろう。年末年始となる来週や再来週は、株式にしても為替や金利にしても振れ幅が大きくなる可能性があるため注意したい。ドル円に関して、週足チャートでは52週線が131円10銭近辺に位置しており、これをサポートにいったん円高が一服した格好となっている。明確に割り込んだ場合にはもう一段円高が進む可能性がある一方、踏みとどまれば円高圧力が和らぐことが期待できる。来週はドル円が52週線より上で推移できるかを注視しておきたい。


【来週の見通し】
 弱含みか。2022年の最終週。今年は大納会が金曜30日で営業日はまるまる5日あるが、月曜26日の米国がクリスマス休場。前半は他にも休場が多く、週初から閑散ムードが強まることが予想される。今週、日経平均が日銀の政策修正を材料に大幅安となったことから、弱材料には敏感となりやすい。28日には今回12月の日銀会合における「主な意見」の公表があり、中身次第では改めて日銀リスクが意識される可能性もある。翌週になれば不安心理がいったんリセットされて、新年のご祝儀買いが入るのではという期待はあり、この点は相場の下支え要因にはなる。ただ、足元の米国株も基調が強いわけではなく、上げづらく下げやすい地合いが続くと予想する。
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