株式明日の戦略-広範囲に買われて26500円台を回復、下値不安がやや後退

 22日の日経平均は6日ぶり反発。終値は120円高の26507円。米国株の大幅高を受けて、寄り付きから3桁の上昇。序盤では上げ幅を200円近くに広げたが、26600円に接近したところでは急失速した。一方、26400円を割り込んだところでは、マイナス圏入りを回避して切り返した。前場はやや不安定となったが、後場は100円程度上げた26500円近辺で値動きが落ち着いた。終値ではわずかではあるが26500円を上回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5600億円。業種別では不動産、海運、鉱業などが強い上昇。下落は保険の1業種のみで、空運や機械が小幅な上昇にとどまった。証券会社が目標株価を引き上げたゲオホールディングス<2681.T>が急伸。反面、新株予約権の発行が嫌気されたインターファクトリー<4057.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1431/値下がり337。日銀の政策修正で直近売り込まれていた銘柄群に押し目買いが入っており、三井不動産や三菱地所など不動産株が大幅上昇。円高一服を材料にスズキや日産自動車など自動車株にも見直し買いが入った。足元で動きの良い川崎汽船が5%を超える上昇。きのう上場したサンクゼールが商いを伴って16%高と人気化した。ここ最近、経営再建に関するニュースに振り回されている東芝は、きょうは銀行団の融資が最終調整に入ったとの報道を手がかりに4.3%高。三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行は、売りに押される場面があったものの、深押しすることなく切り返してそろってプラスで終えた。

 一方、東京海上や第一生命など保険株は、直近で強く買われた反動で売りに押された。指数寄与度の大きいソフトバンクGや東京エレクトロンが下落。前場ではこれらの弱さが全体にもネガティブな影響を及ぼした。ハイテクの一角が弱く、日本電産が年初来安値を更新。直近IPO銘柄が強い方も弱い方も値動きが大きくなっており、アイズやフーディソンが急落した。

 本日スタンダードに新規上場したコーチ・エィと、グロースに新規上場したjig.jpは、いずれも高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。名証メインに新規上場したエージェント・インシュアランス・グループは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。

 日経平均は6日ぶりに反発。前日までの下げ度合いからは120円高では戻したうちにも入らないが、マイナス圏に沈みそうなところで踏みとどまるなど、底打ちを期待させる動きも見られた。終値(26507円)ではしっかり節目が意識されているし、終日値上がり銘柄が多い状態をキープできたことも下値不安を和らげる。あすは週末かつ、翌週が2022年の最終週となるため、リスク回避の売りが出やすくなると思われる。現状近辺ではテクニカル面で支えとなりそうな水準もない中、どれだけ値を保つことができるか。きのう21日の安値26269円より上で推移できるかは注目される。あす、大きく崩れることがなければ、来週は「掉尾の一振」の相場格言を意識して、リバウンド狙いの買いが入る展開も期待できる。
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