株式明日の戦略-3日連続の3桁下落、チャート悪化で年末株高期待が後退

 19日の日経平均は大幅に3日続落。終値は289円安の27237円。米国株の大幅安を嫌気して、寄り付きから200円を超える下落。節目の27500円を大きく下回ったことから、安く始まった後もしばらく下値模索が続いた。ただ、300円超下げて27100円台に入ったところで売りが一巡。いったん戻して売り直された後、11時辺りからは27200円近辺で動意が乏しくなった。後場は値幅がわずか50円程度と、安値圏でこう着感の強い地合いが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3600億円。業種別では銀行、パルプ・紙、水産・農林などが上昇した一方、鉱業、海運、精密機器などが下落した。フーディソン<7114.T>がストップ高まで買われた一方、Rebase<5138.T>が19.6%安と暴落しており、16日に新規上場した銘柄に明暗分かれる動きが見られた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり667/値下がり1082。三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。岸田政権が物価目標の柔軟化を検討していると伝わったことが金融株を刺激しており、第一生命やT&Dなど保険株にも買いが入った。日経新聞で訪日客の高額消費が急増していると報じられたことを手がかりに松屋、三越伊勢丹、高島屋など百貨店株に資金が向かった。決算が評価された西松屋チェーンが大幅高。上方修正を発表したミツウロコが急伸した。

 一方、レーザーテックが4%を超える下落。日本郵船など先週は動きが良かった海運大手が、きょうは利益確定売りに押された。買収金額が想定に届かない可能性もあるとの観測が伝わった東芝が大幅安。マツダ、三菱自動車、日産自など自動車株には強めに売られるものが多かった。GunosyやINTLOOPなど先週跳ねた銘柄が一転急落。足元で値動きが荒くなっている直近上場のウェルプレイド・ライゼストがストップ安まで売り込まれて安値を更新した。

 本日新規上場したトリドリは、高い初値をつけたものの、寄った後は買いが続かず、ストップ安で終えた。

 日経平均は高値27349円を9時02分、安値27165円を9時49分につけており、終値27237円は高値と安値のほぼ中間。安く始まった後は開始1時間弱で開店休業のような状態となった。その一方で直近IPO銘柄は派手に動いているものが多く、良くも悪くも年末が到来したことを強く意識させられる。あすは日銀会合の結果が発表されるが、金融政策は現状維持が濃厚。何か変更があれば相場のかく乱材料となり得るが、何もなければきょうのように、場中は動意が乏しくなると思われる。日経平均は3営業日連続で3桁の下げとなっており、75日線のほか、26週線、13週線、52週線などテクニカルの節目を一気に割り込んだ。このまま戻りが鈍いようだと年末株高は期待できず、年末株安の方を警戒する必要が出てくる。下げ止まらず一気に27000円まで割り込んでしまうようだと、そのことが投げ売りを誘う要素となるため注意したい。
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