東京為替見通し=ドル円、日銀の物価見通しの上方修正への警戒感から上値が重い展開か
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、英国や北米市場が休場で閑散取引の中、先週末に伝わった「日銀は17-18日の金融政策決定会合で、物価見通しの上方修正を検討。政府・日銀が目標とする2%に近い水準で物価が高止まりすることになり、緩和修正への圧力がさらに増す可能性がある」との日経記事を手掛かりに、130.63円まで下値を広げた。ユーロドルは1.0651ドルまで軟調推移。ユーロ円も139.28円まで軟調に推移した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が正月三が日で休場のため、閑散取引の中で、日銀の物価見通しの上方修正への警戒感から上値が重い展開が予想される。
また、昨年末に発表された中国の12月の製造業PMIは47に低下、非製造業PMIも41.6に低下しており、いずれも2020年2月の新型コロナウイルス感染拡大初期以来の低水準となった。本日の上海総合指数の動向次第では、リスク回避の円買い圧力が強まる可能性があることで警戒しておきたい。
ドル円は、先週末の日経報道が上値を抑える展開が続いている。
先週12月30日の安値が130.78円、昨日の海外市場の安値は130.63円までで、先月12月20日の日銀金融政策決定会合でのイールドカーブコントロール(YCC)変動幅拡大ショックを受けた安値130.58円に迫りつつある。
ドル円のテクニカル分析では、2022年10月21日の高値151.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーを形成中であり、ネック・ライン(130.41円~130.58円)が攻防の分岐点となっている。
ネック・ラインを下抜けた場合は、20円程度の下落が想定できることで、FEDピボット:FRBの利下げ転換)とBOJピボット:日銀の利上げ転換)への警戒感を高めることになる。
ネック・ラインが維持された場合は、上昇途上のヘッド・アンド・ショルダーの可能性が高まり、12月のFOMCのドット・プロット(金利予測分布図)で示された年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)5.10%や日銀の金融政策正常化路線の先送りが現実味を帯びることになる。
黒田日銀総裁の任期は4月8日までだが、両副総裁の任期は3月19日までのため、現体制の下での日銀金融政策決定会合は、今月17-18日と3月9-10日の2回となる。そのため、黒田日銀総裁は、昨年12月19-20日の日銀金融政策決定会合で、YCC政策における10年国債金利の誘導水準を0%程度に維持しつつ、変動許容幅を従来の上下0.25%程度から上下0.5%程度に拡大して、新体制の下での出口戦略への一歩を踏み出したのではないだろうか。そして、今月17-18日の決定会合では、物価見通しの上方修正を検討することで二歩目を踏み出し、最後の会合で三歩目を踏み出すことで、新体制へのバトンタッチをスムーズにする目論見なのかもしれない。
(山下)
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が正月三が日で休場のため、閑散取引の中で、日銀の物価見通しの上方修正への警戒感から上値が重い展開が予想される。
また、昨年末に発表された中国の12月の製造業PMIは47に低下、非製造業PMIも41.6に低下しており、いずれも2020年2月の新型コロナウイルス感染拡大初期以来の低水準となった。本日の上海総合指数の動向次第では、リスク回避の円買い圧力が強まる可能性があることで警戒しておきたい。
ドル円は、先週末の日経報道が上値を抑える展開が続いている。
先週12月30日の安値が130.78円、昨日の海外市場の安値は130.63円までで、先月12月20日の日銀金融政策決定会合でのイールドカーブコントロール(YCC)変動幅拡大ショックを受けた安値130.58円に迫りつつある。
ドル円のテクニカル分析では、2022年10月21日の高値151.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーを形成中であり、ネック・ライン(130.41円~130.58円)が攻防の分岐点となっている。
ネック・ラインを下抜けた場合は、20円程度の下落が想定できることで、FEDピボット:FRBの利下げ転換)とBOJピボット:日銀の利上げ転換)への警戒感を高めることになる。
ネック・ラインが維持された場合は、上昇途上のヘッド・アンド・ショルダーの可能性が高まり、12月のFOMCのドット・プロット(金利予測分布図)で示された年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)5.10%や日銀の金融政策正常化路線の先送りが現実味を帯びることになる。
黒田日銀総裁の任期は4月8日までだが、両副総裁の任期は3月19日までのため、現体制の下での日銀金融政策決定会合は、今月17-18日と3月9-10日の2回となる。そのため、黒田日銀総裁は、昨年12月19-20日の日銀金融政策決定会合で、YCC政策における10年国債金利の誘導水準を0%程度に維持しつつ、変動許容幅を従来の上下0.25%程度から上下0.5%程度に拡大して、新体制の下での出口戦略への一歩を踏み出したのではないだろうか。そして、今月17-18日の決定会合では、物価見通しの上方修正を検討することで二歩目を踏み出し、最後の会合で三歩目を踏み出すことで、新体制へのバトンタッチをスムーズにする目論見なのかもしれない。
(山下)