ロンドン為替見通し=欧州債・株を見定め、インフレ圧力の強弱を確認

 本日のロンドン為替市場では、欧州債券・株式の動向を見定めながら、11月分ではあるもののユーロ圏卸売物価指数(PPI)でインフレ圧力の強弱を確認しての取引となるか。

 昨日は前回6.2%から上振れが予想されていた12月仏消費者物価指数(CPI、前年比)速報値が5.9%まで減速し、前月比もプラス予想から小幅マイナスとなった。同月独CPIに続いてインフレの鈍化傾向が示されたことを好感し、欧州株は全般堅調に推移。明日はユーロ圏12月消費者物価指数(HICP、速報値)が発表されるため、株や債券に昨日の調整が入る可能性はあるものの、欧州インフレがピークアウトしたとの見方は広がりつつあるようだ。

 ただしユーロ圏内でも、リトアニアなどバルト3国の物価上昇率は足もとで20%超えとかなり深刻だ。ユーロ圏内でインフレ格差が開くようならば、欧州中央銀行(ECB)の金融政策の舵取りがより難しくなるのは確かだろう。インフレ高騰による経済停滞リスクは完全に後退した訳ではなく、欧州景気に対する見方は予断を許さない。

 なお本日のユーロ圏11月PPIだが、前年比予想は27.5%と鈍化するものの高止まりしたまま。一方で前月比は小幅マイナスが見込まれており、直近の流れ見るには前月比にも注目したい。

 英国については英商工会議所が昨日、中小企業を中心に11月に実施した調査の結果を発表。今年の企業収益見通しの厳しさが改めて浮き彫りになった。FT紙も先日、英国はG7の中で「最悪で最も長いリセッションに直面する」と予測する多くのエコノミストの見解を記事にしている。同国経済への悲観論は高まるばかりであり、ポンドの上値の追いづらさに繋がりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは先月30日高値1.0713ドル、ポンドドルは日足一目均衡表・基準線1.2174ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは3日安値1.0520ドル、ポンドドルが昨日安値1.1958ドル。


(小針)
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