欧州為替見通し=欧州大陸の参加者は復帰、期末絡みのフローに振らされるか

 本日の英国市場はボクシンデーの振替休日で休場だが、独仏などの欧州大陸の参加者は市場に戻ってくる。月末・四半期末・年末が控えており、期末に絡んだ実需フローにユーロは上下させられることになるか。また、米国のエネルギー先物が時間外で買いが先行し、欧州市場もつれた動きが予想されるなか、資源国通貨ノルウェー・クローネ(NOK)の動きも注目されそうだ。

 ユーロドルは16日から本日の東京午前まで、1.05ドル後半から1.06ドル半ばの値幅で上下が続いている。相場のエネルギーが溜まっているとも言え、レンジをブレイクした方向に走りそうだ。本日11時過ぎに強含んだ場面では1.0661ドルまでであり、目先は16日高値1.0663ドルをクリアに超えるかがポイントか。

 また11月前半以来の高値圏で推移するユーロスイスフランにも目を向けておきたい。ロシアによるウクライナ侵攻は11カ月目に入ったものの、更なる戦闘激化も予想されている。しかしながら為替では避難通貨とされるフランを手放す動きが進んでおり、ユーロスイスフランは11月につけた0.97フラン前半から0.99フラン台を回復した。年末にかけて巻き戻しが更に進むようならば、7月以来のパリティ(1ユーロ=1フラン)も視野に入ってくるかもしれない。

 連休明け時間外のWTI原油先物は前週末比で一時2%高まで上げ幅を拡大。主要産油国ロシアが減産を示唆したこと、エネルギー消費大国の中国がコロナ規制を緩和、大寒波で米テキサスの製油所が操業停止などが影響しているもよう。欧州時間ではまず、ロシアの出方を注視したい。

想定レンジ上限
・ユーロドルは15日高値1.0735ドル、ユーロスイスフランが200日移動平均線0.9960フラン、NOK円は20日高値13.88円

想定レンジ下限
・ユーロドルは22日安値1.0573ドル、ユーロスイスフランが21日移動平均線0.9866フラン、NOK円は20日安値13.19円。


(小針)
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