週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪CPIに注目、インフレ鈍化を確認へ

◆豪ドル、CPI次第では対米ドルで伸び悩む可能性も
◆NZドル、対豪ドルでは調整売り強まる
◆ZAR、手掛かり材料難で方向感に乏しい

予想レンジ
豪ドル円 86.00-92.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円

1月9日週の展望
 豪ドルは伸び悩む展開か。注目は11日に発表される11月消費者物価指数(CPI)の行方。世界的にインフレがピークアウトしたことを示唆する指標が相次いでおり、豪州でもインフレ鈍化が確認されれば、豪準備銀行(RBA)の利上げ休止思惑などにつながる可能性がある。その一方で、米連邦準備理事会(FRB)当局者からは依然としてタカ派的な見解が目立っていることもあり、豪米金利差拡大を意識した豪ドル売り・米ドル買い圧力が高まることも予想される。

 また、豪ドルは対円でも上値が重くなりそうだ。昨年末から日銀の政策修正についての報道が伝わり、円相場が動意づく場面も目立っているが、17-18日に次回の日銀金融政策決定会合を控えていることから、日銀絡みの報道には引き続き注意が必要となるだろう。日銀の政策修正は基本的に円買い材料となるため、突発的な円買いやその後の調整売りなどに振り回されないようにポジション管理をしっかりとしておきたい。
なお、来週は9日に11月住宅建設許可件数、11日に11月小売売上高や11月CPI、12日に11月貿易収支の発表が予定されている。

 隣国NZでは、12日に11月住宅建設許可件数が発表予定。NZドル相場への影響は限られると思われ、基本的には投資家のリスク許容度などに左右される展開となるだろう。なお、豪ドル/NZドルは昨年9月末から続いていた下落トレンドが12月後半でいったん終了した格好となっており、足もとでは調整の豪ドル買い・NZドル売りが進んでいる。対豪ドルを中心にさらにNZドルには売り圧力が増す可能性もありそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開か。来週は南アフリカから特段のイベント・経済指標などが予定されておらず、今週と同様に手掛かり材料は乏しい。基本的には方向感を欠いた推移となりそうだ。なお、南アフリカでは今週エネルギー基準価格がガソリン・ディーゼルともに大きく引き下げられた。また、一部経済学者などからは「ベース効果の影響もあり、今年3月から国内インフレ率は低下するだろう」との見通しも伝わっている。中長期的にはインフレ鈍化はZARにとってプラス材料として意識されるだろう。

1月2日週の回顧
 豪ドルは神経質な動き。「中国が現在禁止している豪州産石炭の輸入について部分的に解除することを検討」との報道が伝わり、一時豪ドル買いが強まる場面もあったが、買いの勢いも長続きはしなかった。今週発表された米経済指標で良好な結果が相次いだこともあり、対ドルでは次第に上値の重さも意識された。
ZARは対ドル・対円でともに方向感の乏しい展開だった。年明けから海外勢が本格的に戻ってきたが、相場ははっきりとした方向感を見出せず、神経質に上下する動きにとどまった。(了)
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