欧州マーケットダイジェスト・9日 株高・金利上昇・ドル安

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=131.76円(9日15時時点比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.64円(△0.87円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0750ドル(△0.0073ドル)
FTSE100種総合株価指数:7724.94(前営業日比△25.45)
ドイツ株式指数(DAX):14792.83(△182.81)
10年物英国債利回り:3.526%(△0.054%)
10年物独国債利回り:2.228%(△0.018%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
12月スイス失業率           2.1%       2.0%
11月独鉱工業生産
前月比                0.2%     ▲0.4%・改
前年比                ▲0.4%    ▲0.2%・改
11月仏貿易収支       137.66億ユーロの赤字 115.92億ユーロの赤字・改
11月仏経常収支         68億ユーロの赤字  34億ユーロの赤字・改
11月ユーロ圏失業率          6.5%       6.5%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。前週末発表の12月米雇用統計で賃金インフレの減速が確認され、12月米ISM非製造業指数が予想を大きく下回ったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化への懸念が緩和。この日もドル売りが出やすい地合いとなった。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンのドル売りも出た。
 米ニューヨーク連銀が発表した12月の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が5.0%と前回の5.2%から低下し、2021年7月以来の低水準を記録すると、米10年債利回りが3.50%台まで低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.0761ドルと昨年6月以来約7カ月ぶりの高値を付けた。

・ドル円は上値が重かった。時間外の米10年債利回りが上昇すると、短期筋のショートカバーが優勢となり、アジア時間に付けた132.29円を上抜けて132.66円まで値を上げた。
 ただ、NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が21年7月以来の低水準を付けたことが分かると、米10年債利回りの低下とともに一転ドル売りが優勢に。2時過ぎには131.55円付近まで下押しした。

・ユーロ円は底堅い動き。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが先行。欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売りが出ると、一時141.92円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は5日続伸。中国で厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の完全終了への期待から買いが優勢となった。ただ、足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが出ると伸び悩んだ。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、グレンコアやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸。中国の経済活動が正常化することへの期待から買いが先行。前週末の米国株が大幅に上昇したことも投資家心理の改善につながり、買いを誘った。個別ではザルトリウス(5.65%高)やポルシェ(4.75%高)、ボノビア(3.43%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。株高を受けた。

(中村)
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