欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利上昇・ドルもみ合い

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.21円(10日15時時点比△0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.90円(△0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0733ドル(▲0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:7694.49(前営業日比▲30.45)
ドイツ株式指数(DAX):14774.60(▲18.23)
10年物英国債利回り:3.557%(△0.031%)
10年物独国債利回り:2.308%(△0.080%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月仏鉱工業生産
前月比                2.0%     ▲2.5%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。「131円台後半では本邦機関投資家のドル買いが散見された」との声が聞かれる中、欧州勢が参入すると上値を試す展開となった。「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はリクスバンク主催のイベントで、タカ派的な姿勢を示すのではないか」との思惑もあり、米長期金利の上昇とドル買いが進んだ面もあった。22時30分過ぎには一時132.48円と日通し高値を付けた。
 ただ、パウエル氏が経済や金融政策について言及しなかったことが伝わると、一転ドル売りが優勢に。23時30分過ぎには131.73円付近まで下落した。
 もっとも、米10年債利回りが3.63%台まで上昇すると再び強含む展開に。2時前には132.34円付近まで持ち直した。市場では「12日の12月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたい投資家は多く、大きな方向感は出なかった」との声も聞かれた。

・ユーロドルももみ合い。パウエル氏の講演を巡り、市場の一部でタカ派寄りの発言が警戒されていたため、ユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎには一時1.0712ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、パウエル氏が経済や金融政策について言及しなかったことが伝わると一転ドル売りが優勢となり、23時30分過ぎには1.0759ドルと日通し高値を更新した。そのあとは米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て伸び悩んだ。

・ユーロ円は強含み。ドル円とユーロドルがもみ合いとなったことで、大きな方向感は出なかったが、2時前に一時142.03円と日通し高値を付ける場面があった。

・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。市場では「インフレ継続による英国景気への悪影響が懸念される」との声も聞かれた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事がリクスバンク主催のイベントで「政策金利は安定したペースで大幅に上昇する必要」と述べ、利上げ継続の必要性を強調すると、欧州各国の債券市場で国債利回りが総じて上昇。株式への売りが広がった。

・欧州債券相場は下落。シュナーベル氏が利上げ継続の必要性を強調したことで、債券売りが進んだ。

(中村)
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