欧州マーケットダイジェスト・11日 株高・金利低下・ユーロ底堅い

(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.48円(11日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.38円(△0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0746ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:7724.98(前営業日比△30.49)
ドイツ株式指数(DAX):14947.91(△173.31)
10年物英国債利回り:3.409%(▲0.148%)
10年物独国債利回り:2.204%(▲0.104%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。前日にはシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事がリクスバンク主催のイベントで「政策金利は安定したペースで大幅に上昇する必要」と述べ、利上げ継続の必要性を強調したほか、本日はビルロワドガロー仏中銀総裁が「ECBは今後数カ月さらに利上げを行う必要がある」などと述べた。また、レーン・フィンランド中銀総裁は「ECBは今後開催される理事会で金利を依然として大幅に引き上げる必要がある」などと発言。ECBの利上げ継続観測が改めて強まる中、全般ユーロ買いが進んだ。
 欧州株相場の上昇が投資家のリスク選好意欲を強め、ユーロ買い・ドル売りを後押しした面もあった。前日の高値1.0759ドルや9日の高値1.0761ドルを上抜けると、一時1.0776ドルと昨年6月以来約7カ月ぶりの高値を更新した。

・ドル円は強含み。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが出て一時132.87円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ると伸び悩んだ。前日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で金融政策について踏み込んだ発言をしなかった。米利上げが長期化するとの懸念が和らいだこともドルの重し。
 明日12日には12月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、金融政策に影響を与えるインフレ動向を確認したい投資家は多く、大きな方向感が出にくい面もあったようだ。

・ユーロ円はしっかり。全般ユーロ買いが進んだ流れに沿って、一時142.86円と昨年12月28日以来約2週間ぶりの高値を付けた。
 なお、ユーロポンドは一時0.8882ポンドと昨年9月以来の高値を付けたほか、ユーロスイスフランは一時1.0020スイスフランと昨年7月以来のパリティ(等価)乗せとなった。

・ロンドン株式相場は反発。前日の米株高などを背景に運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが先行。中国の経済活動が正常化することへの期待から買いが入った面もあった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は反発。中国の新型コロナウイルス規制の撤廃による同国経済の回復期待が強い中、欧州株全般に買いが入った。前日の米国株高も投資家心理の改善につながった。個別ではボノビア(6.55%高)やシーメンス・エナジー(5.35%高)、メルク(4.47%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。

(中村)
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