欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・ドル安・円高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=129.19円(12日15時時点比▲2.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.16円(▲1.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0848ドル(△0.0086ドル)
FTSE100種総合株価指数:7794.04(前営業日比△69.06)
ドイツ株式指数(DAX):15058.30(△110.39)
10年物英国債利回り:3.334%(▲0.075%)
10年物独国債利回り:2.159%(▲0.045%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は大幅安。日銀が17-18日に開く金融政策決定会合で、政策を修正するとの思惑が高まる中、欧州勢参入後も円買いの流れが継続した。
 NY市場に入ると、注目の12月米消費者物価指数(CPI)が前年比6.5%上昇、コア指数が前年比5.7%上昇と市場予想通り前月から鈍化したことが伝わり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が強まった。指標発表直後に131.20円付近まで上昇する場面もあったがすぐに失速し、3時過ぎには一時128.87円と昨年6月1日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するハーカー米フィラデルフィア連銀総裁はこの日、「今後は0.25%の利上げが適切となるだろう」「今年の利上げは『あと数回』と予想している」などと発言。インフレ抑制に向け一段と利上げを行う必要があるものの、昨年と比べてペースを大幅に減速させることが可能との認識を示した。

・ユーロドルは底堅い動き。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.07ドル台半ばでのもみ合いが続いていた。米CPIの結果が伝わると一時1.0731ドルと日通し安値を付けたものの、下押しは限定的。米金融引き締めの長期化懸念が和らぐ中、3時過ぎには1.0867ドルと昨年4月以来の高値を更新した。市場では「米インフレの鈍化は予想されていたが、重要イベントを無難に通過し、改めてドル売りが優勢になった」との声が聞かれた。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.4491%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。
 このところ欧州中央銀行(ECB)高官による利上げ継続の必要性を強調する発言が目立っており、ユーロ買いが入りやすい面もあった。ユーロポンドは一時0.8896ポンドと昨年9月以来の高値を付けたほか、ユーロスイスフランは一時1.0075スイスフランと昨年6月以来の高値を更新した。

・ユーロ円は軟調。アジア時間に伝わった「日銀は来週の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する」との観測報道を手掛かりに、欧米市場でも円買いが進んだ。2時30分過ぎに一時140.02円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は続伸し、2018年5月以来の高値で取引を終えた。前日の米株高などを背景に運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが先行。中国の経済活動が正常化することへの期待から買いが入った面もあった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸し、昨年2月以来の高値となった。中国の経済活動が正常化することへの期待から、欧州株全般に買いが先行。前日の米国株高も投資家心理の改善につながった。個別ではRWE(3.74%高)やザランド(3.28%高)、エアバス(2.13%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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