ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、3日ぶり大幅反落

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに大幅反落。終値は129.25円と前営業日NY終値(132.45円)と比べて3円20銭程度のドル安水準だった。アジア時間に伝わった「日銀は17-18日に開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する」との観測報道を受けて、日銀が政策を修正するとの思惑が高まった。NY勢参入後も円買いの流れが継続した。
 注目の12月米消費者物価指数(CPI)は前年比6.5%上昇、コア指数が前年比5.7%上昇とほぼ市場予想通りの結果となった。米インフレが落ち着きつつあることが確認され、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が強まった。指標発表直後は131.20円付近まで買い戻される場面もあったがすぐに失速し、3時過ぎには一時128.87円と昨年6月1日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。

 ユーロドルは5日続伸。終値は1.0853ドルと前営業日NY終値(1.0757ドル)と比べて0.0096ドル程度のユーロ高水準だった。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.07ドル台半ばでのもみ合いが続いていたが、米CPIの結果が伝わると一時1.0731ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、下押しは限定的だった。市場では「米インフレの鈍化は予想されていたが、重要イベントを無難に通過し、改めてドル売りが優勢になった」との声が聞かれ、3時過ぎには1.0867ドルと昨年4月以来の高値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.4199%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。
 このところ欧州中央銀行(ECB)高官による利上げ継続の必要性を強調する発言が目立っており、ユーロ買いが入りやすい面もあった。ユーロポンドは一時0.8896ポンドと昨年9月以来の高値を付けたほか、ユーロスイスフランは一時1.0080スイスフランと昨年6月以来の高値を更新した。

 ユーロ円は5日ぶりに反落。終値は140.31円と前営業日NY終値(142.51円)と比べて2円20銭程度のユーロ安水準。日銀が来週の金融政策決定会合で、政策を修正するとの思惑が高まる中、欧米市場でも円買いの流れが続いた。3時過ぎに一時140.02円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:128.87円 - 132.52円
ユーロドル:1.0731ドル - 1.0867ドル
ユーロ円:140.02円 - 142.55円

(中村)
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