欧州マーケットダイジェスト・13日 株高・金利上昇・円高

(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=127.69円(13日15時時点比▲1.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=138.26円(▲1.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0828ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:7844.07(前営業日比△50.03)
ドイツ株式指数(DAX):15086.52(△28.22)
10年物英国債利回り:3.366%(△0.032%)
10年物独国債利回り:2.168%(△0.009%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月英国内総生産(GDP、前月比)   0.1%       0.5%
11月英商品貿易収支    156.23億ポンドの赤字 122.58億ポンドの赤字・改
11月英貿易収支      18.02億ポンドの赤字  14.98億ポンドの赤字・改
11月英鉱工業生産指数(前月比)    ▲0.2%    ▲0.1%・改
   製造業生産高(前月比)     ▲0.5%      0.7%
12月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                ▲0.1%     ▲0.1%
前年比                5.9%       5.9%
11月ユーロ圏鉱工業生産
前月比                1.0%     ▲1.9%・改
前年比                2.0%       3.4%
11月ユーロ圏貿易収支
季調済            152億ユーロの赤字 281億ユーロの赤字・改
季調前            117億ユーロの赤字  265億ユーロの赤字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は軟調。日銀が17-18日に開く金融政策決定会合で、政策を修正するとの思惑が高まる中、この日も円買いが続いた。ダウ平均が一時270ドル超下落した場面ではリスク回避目的の円買いも入った。米インフレ減速で米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの見方も引き続き相場の重しとなり、一時127.46円と昨年5月以来約8カ月ぶりの安値を更新した。
 なお、米ミシガン大学が発表した1月消費者態度指数(速報値)が64.6と予想の60.5を上回ると下げ渋る場面もあったが、併せて発表した1年先の期待インフレ率が4.0%と予想の4.3%を下回り2021年4月以来の低水準となったことから、買い戻しは長続きしなかった。

・ユーロドルは方向感に乏しい展開。米インフレ鈍化でFRBが利上げペースを緩めるとの見通しが強まる中、欧州勢参入直後に一時1.0864ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた昨年4月以来の高値1.0868ドルがレジスタンスとして働くと失速した。米国株相場が下落して始まるとリスク・オフのドル買いも入り、一時1.0781ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値1.0731ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米10年債利回りが低下に転じたこともユーロ買い・ドル売りを促し、1.0838ドル付近まで下げ幅を縮めた。

・ユーロ円は軟調。米株安や日銀の金融政策修正への思惑を背景に全般円買いが進んだ流れに沿った。1時30分前には一時138.01円と本日安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時155.65円、豪ドル円は88.66円、NZドル円は81.15円、カナダドル円は95.09円、スイスフラン円は137.44円、南アフリカランド円は7.57円まで値を下げた。

・ロンドン株式相場は3日続伸し、2018年5月以来の高値で取引を終えた。11月英国内総生産(GDP)が前月比0.1%増と予想の0.2%減に反して小幅なプラス成長となったことが分かると、英景気後退への懸念が和らいだ。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に買いが入ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸し、昨年2月以来の高値となった。米インフレ減速でFRBの利上げペースが鈍化するとの見方から、前日の米国株が上昇すると独株にも買いが波及した。この日発表の11月ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回ったことも相場の支援材料。個別ではザルトリウス(2.69%高)やバイエル(1.83%高)、ザランド(1.65%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。株高を受けた。

(中村)
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