ロンドン為替見通し=日銀への思惑、ウクライナ情勢や北アイルランド問題が材料に

 本日のロンドン為替市場でも、17-18日に日銀が開催する金融政策決定会合への思惑で上下するであろうドル円やクロス円が注目される。その他、悪化するウクライナを巡る状況や、北アイルランド問題解決に向けた動きにも留意したい。

 日銀は会合を控えて本日も追加の国債買い入れオペを実施した。先週後半は2日間で約10兆円もの国債を購入し、金利上昇を抑える意志を示したものの、市場のゆがみを際立たせるだけとなっている。日銀が介入できない金利スワップ市場では、10年の円金利が1%超えを記録。円金利上昇を背景に、為替では先週引けにかけて円高が加速した。

 ただ、金利市場は緩和政策の修正を促しているものの、今回の会合に関してだと長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)は据え置くとの見方も根強い。円金利が上昇し/ドル金利は低下傾向のため、流れとしてはドル円主導の円高なのだろうが、急速な動きの反動には気を付けたい。

 ウクライナ情勢については、ロシア軍が週末に大規模なミサイル攻撃を行い、一般市民も犠牲になっている。北大西洋条約機構(NATO)はウクライナへの更なる軍事支援の必要性を訴えており、今後は西側対ロシアの構図がより鮮明となるだろう。先週は対ユーロで軟調に推移したスイスフランだが、地政学リスクの高まりで再び資金が向かう可能性もあるか。

 なお、ブレグジット後に英国と欧州連合(EU)の懸案事項だった北アイルランド問題だが、解決に向けた話し合いが今週進むかもしれない。一部通信者によれば、英EU双方の交渉担当トップが本日にも会談するもよう。今後始まるとされる本格交渉への地盤作りが期待される。

想定レンジ上限
・ユーロ円は節目140.00円、ユーロスイスフランが13日高値1.0097フラン、ポンドドルはピボット・ターニングポイント1.2363ドル。

想定レンジ下限
・ユーロ円は3日安値137.39円、ユーロスイスフランが日足一目均衡表・基準線0.9957フラン、ポンドドルも基準線1.2144ドル。


(小針)
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