東京為替見通し=ドル円、軟調推移か 17-18日の日銀会合への警戒感から

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は127.46円まで続落。米インフレ減速で米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの見方や1年先の期待インフレ率が4.0%へ低下したことなどを受けた動き。ユーロドルは持ち高調整で1.0781ドルまで下落する場面があった。ユーロ円も138.01円まで続落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明日からの日銀金融政策決定会合でのBOJピボット(日銀の金融政策転換)への警戒感から軟調推移が予想される。

 8時50分に発表される12月企業物価指数は前月比+0.3%、前年比+9.5%と予想されており、前月比では前回から低下、一方で前年比では上昇が見込まれている。注目ポイントは、輸入物価指数が11月の前年比+28.2%から減速しているか否か。同指数は7月の前年比+49.2%から下落基調。イールドカーブコントロール(YCC)による円安インフレや原油価格の上昇に勢いがなくなった影響を受けている。

 17-18日の日銀会合に関するこれまで報道では、日銀関係筋の話として、変動が大きい生鮮食品を除いた「コア消費者物価指数(CPI)」や生鮮食品とエネルギーを除いた「コアコアCPI」の見通しを引き上げる方向で検討に入った、と報じられた。また、「日銀が17、18日の金融政策決定会合で大規模緩和の副作用を点検し、必要な場合は追加の政策修正を行う」という報道もある。

 市場はYCCの許容変動幅が±0.5%から±0.75%に拡大されることを織り込んでいるが、リスクシナリオはYCCが撤廃された場合だろう。

 ところで、米10年債利回りのテクニカル分析では、2022年10月21日の4.335%を頭とするヘッド・アンド・ショルダーが完成し、目標値2.78%が点灯していることで、米国経済のリセッション(景気後退)入りとFEDピボット(FRBの利下げへの転換)の可能性を示唆している。
 
 ドル円のテクニカル分析では、22年10月21日の151.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーが完成しており、BOJピボット(日銀の利上げへの転換)とFEDピボットの可能性を示唆。下値目標値は、第1波動(75.32円~125.86円)の125.86円だが、ヘッド・アンド・ショルダーの目標値は108.87円(=130.41-21.54円)となっている。
 テクニカルポイントは、102.59円から151.95円までの半値押しが127.27円、101.19円から151.95円までの半値押しが126.57円となっている。
 
 また、イエレン米財務長官が「19日に債務上限(※31兆4000億ドル)に達すると予測。財務省は債務上限問題を巡り特別措置を講じる」と述べた。米国下院は、マッカーシー米下院議長の選出に15回の投票を要して一時的に機能不全に陥ったことを「第一幕」として、米債務上限引き上げ交渉が政治混迷ドラマの「第二幕」となる可能性が警戒されている。



(山下)
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