週間為替展望(ドル/ユーロ)-米利上げ観測を巡るドル相場へ
◆ドル円、日銀会合を通過し円相場からドル相場へ
◆米PMI速報値など、米経済指標に注目集まる
◆ユーロドル、米指標受けたドルの動向に左右されるか
予想レンジ
ドル円 126.00-131.50円
ユーロドル 1.0600-1.1100ドル
1月23日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を通過したことで円相場主導の展開からドル相場へと移行すると想定される。
日銀が17-18日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を発表。市場で思惑が高まっていた政策修正を見送る形となった。黒田日銀総裁も会合の定例記者会見で、「現時点で長期金利の変動幅の上限をさらに引き上げることはない」と述べ、大規模緩和を継続する姿勢を示した。ただ、市場はこれを素直に受け取っておらず、いずれは修正に踏み切るとの警戒感が拭えていない状況となっている。とはいえ、次回会合は3月とまだ先であることからも市場の円相場への関心はいったん落ち着くのではないだろうか。
そういった意味でも、これからは31日-2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に焦点がシフト。米利上げ観測を巡るドル相場になっていくと想定している。今月発表されたインフレ指標は鈍化を示しているうえ、6日の12月ISM非製造業景況指数をはじめ、11日の12月米小売売上高など低調な経済指標が相次いだ。米国の上期での景気後退(リセッション)を警戒する声も出ている。今後も弱い指標が続けば、米当局が目指すソフトランディング(経済が大量の失業を伴うことなくインフレ率を低下させる政策)に陰りが浮上し、利下げ観測が高まることになりそうだ。
来週は全般、米経済指標に注目が集まるだろう。24日に1月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値や1月米リッチモンド連銀製造業景気指数、26日に10-12月期米国内総生産(GDP)速報値、27日に12月米PCEコアデフレーターが予定されている。
ユーロドルは、一連の米経済指標を受けたドルの動きに大きく左右されることが想定されるほか、欧州各国のPMI速報値の結果にも注意しておきたい。欧州中央銀行(ECB)による今後の利上げ方針については情報が錯綜しているが、ラガルドECB総裁やビルロワ仏中銀総裁からはタカ派的な見解が示されており、来週も要人発言には注意が必要だろう。
1月16日週の回顧
ドル円は、週明けの東京市場で売りが先行し、一時127.23円と昨年5月以来の安値を付けた。その後は日銀金融政策決定会合を控えて128円台を中心としたもみ合いが続いたが、18日は乱高下に。日銀が金融緩和修正を見送ると一時131.58円まで急騰したが、一巡後は戻り売りが活発化し、12月米小売売上高などさえない経済指標が相次いだことも重なって、一時127.57円まで売り込まれた。その後は128円台後半まで下げ渋った。
ユーロドルは、1.08ドル台半ばを挟んで方向感を欠いた。低調な米経済指標が発表されると1.0887ドルまで上昇したが、株安でリスクオフムードが高まった影響から上値は限られた。(了)
◆米PMI速報値など、米経済指標に注目集まる
◆ユーロドル、米指標受けたドルの動向に左右されるか
予想レンジ
ドル円 126.00-131.50円
ユーロドル 1.0600-1.1100ドル
1月23日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を通過したことで円相場主導の展開からドル相場へと移行すると想定される。
日銀が17-18日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を発表。市場で思惑が高まっていた政策修正を見送る形となった。黒田日銀総裁も会合の定例記者会見で、「現時点で長期金利の変動幅の上限をさらに引き上げることはない」と述べ、大規模緩和を継続する姿勢を示した。ただ、市場はこれを素直に受け取っておらず、いずれは修正に踏み切るとの警戒感が拭えていない状況となっている。とはいえ、次回会合は3月とまだ先であることからも市場の円相場への関心はいったん落ち着くのではないだろうか。
そういった意味でも、これからは31日-2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に焦点がシフト。米利上げ観測を巡るドル相場になっていくと想定している。今月発表されたインフレ指標は鈍化を示しているうえ、6日の12月ISM非製造業景況指数をはじめ、11日の12月米小売売上高など低調な経済指標が相次いだ。米国の上期での景気後退(リセッション)を警戒する声も出ている。今後も弱い指標が続けば、米当局が目指すソフトランディング(経済が大量の失業を伴うことなくインフレ率を低下させる政策)に陰りが浮上し、利下げ観測が高まることになりそうだ。
来週は全般、米経済指標に注目が集まるだろう。24日に1月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値や1月米リッチモンド連銀製造業景気指数、26日に10-12月期米国内総生産(GDP)速報値、27日に12月米PCEコアデフレーターが予定されている。
ユーロドルは、一連の米経済指標を受けたドルの動きに大きく左右されることが想定されるほか、欧州各国のPMI速報値の結果にも注意しておきたい。欧州中央銀行(ECB)による今後の利上げ方針については情報が錯綜しているが、ラガルドECB総裁やビルロワ仏中銀総裁からはタカ派的な見解が示されており、来週も要人発言には注意が必要だろう。
1月16日週の回顧
ドル円は、週明けの東京市場で売りが先行し、一時127.23円と昨年5月以来の安値を付けた。その後は日銀金融政策決定会合を控えて128円台を中心としたもみ合いが続いたが、18日は乱高下に。日銀が金融緩和修正を見送ると一時131.58円まで急騰したが、一巡後は戻り売りが活発化し、12月米小売売上高などさえない経済指標が相次いだことも重なって、一時127.57円まで売り込まれた。その後は128円台後半まで下げ渋った。
ユーロドルは、1.08ドル台半ばを挟んで方向感を欠いた。低調な米経済指標が発表されると1.0887ドルまで上昇したが、株安でリスクオフムードが高まった影響から上値は限られた。(了)