週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪CPI、インフレ鈍化の兆し見られるか
◆豪ドル、ドル相場と円相場に振らされる展開が継続
◆NZ、与党労働党の党首選に注目
◆ZAR、SARBの金融政策がポイント
予想レンジ
豪ドル円 86.00-92.00円
南ア・ランド円 7.20-7.80円
1月23日週の展望
豪ドルは神経質な展開か。注目は25日に公表される10-12月期と12月分の消費者物価指数(CPI)の動向。7-9月期につけた32年ぶりの高値圏(前年同期比7.3%)からインフレ鈍化の兆しが見られるかがポイントになるが、月次ベースのCPIが高止まりしていることを考慮すると、大幅なインフレ鈍化は望み薄か。なお、豪準備銀行(RBA)は12月末時点のインフレ見通しを8.0%とし、RBAのインフレ目標(2-3%)内に戻るのは2025年以降と想定している。
一方で、日米金融政策に対する思惑も引き続き注意が必要となる。豪ドルは足もとで対ドルでは堅調、対円では軟調地合いとなっており、豪ドル自体の方向性というよりもドル相場や円相場に振らされている面が大きい。米国ではインフレ指標の鈍化によって利上げ減速観測が高まり、日本では日銀が緩和方針の維持を決めた後も政策修正への期待が根強い状況だ。来週の豪ドル相場も主体性を持った動きにはならない可能性が高いだろう。
なお、来週は24日に12月NAB企業景況感指数、25日には10-12月期と12月のCPI、27日には10-12月期卸売物価指数(PPI)と10-12月期輸入物価指数の発表が予定されているほか、26日は建国記念日の祝日で休場となる。CPIの後とあって市場の注目度は落ちるが、27日公表の10-12月PPIにも注目しておきたい。
隣国NZからは25日に10-12月期CPI、27日に1月ANZ企業信頼感が公表予定。CPIは4-6月期が前年同期比7.3%、7-9月期が7.2%で推移しており、インフレがピークアウトしたかを改めて確認する必要がある。NZでは22日に実施される与党労働党の党首選にも注目。アーダーン首相は19日、2月7日までに退任する意向を表明しており、NZ議会で過半数を握る労働党の新党首が次期首相に選出される見通しだ。なお、アーダーン首相は次回総選挙を10月14日に実施するとの意向も表明している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策に注目。18日に公表された12月CPIは前年同月比で7.2%となり、11月の7.4%からは伸びが鈍化。インフレがピークアウトした可能性も高まっているが、依然としてSARBのインフレ目標(3-6%)を上回る状況が続いている。市場では26日の会合で25-50bpの利上げを見込んでおり、利上げ幅や今後の金融政策見通しについても注目しておきたい。また、与党アフリカ民族会議(ANC)がSARBの責務変更を求めていることから、中銀の独立性についての姿勢にも注意が必要となりそうだ。
1月16日週の回顧
豪ドルは上値の重い動き。米インフレ指標の鈍化で対ドルでは強含む場面があったものの、その後は株安を受けたリスク回避の売りに押された。対円でも日銀会合後に一時急伸したが、一巡後は再び円買い圧力が強まったことで売り優勢となった。
ZARも対円では日銀の金融政策公表後に一時買いが進んだものの、その後は全般に円買いが強まるなか、年初来の安値を更新した。(了)
◆NZ、与党労働党の党首選に注目
◆ZAR、SARBの金融政策がポイント
予想レンジ
豪ドル円 86.00-92.00円
南ア・ランド円 7.20-7.80円
1月23日週の展望
豪ドルは神経質な展開か。注目は25日に公表される10-12月期と12月分の消費者物価指数(CPI)の動向。7-9月期につけた32年ぶりの高値圏(前年同期比7.3%)からインフレ鈍化の兆しが見られるかがポイントになるが、月次ベースのCPIが高止まりしていることを考慮すると、大幅なインフレ鈍化は望み薄か。なお、豪準備銀行(RBA)は12月末時点のインフレ見通しを8.0%とし、RBAのインフレ目標(2-3%)内に戻るのは2025年以降と想定している。
一方で、日米金融政策に対する思惑も引き続き注意が必要となる。豪ドルは足もとで対ドルでは堅調、対円では軟調地合いとなっており、豪ドル自体の方向性というよりもドル相場や円相場に振らされている面が大きい。米国ではインフレ指標の鈍化によって利上げ減速観測が高まり、日本では日銀が緩和方針の維持を決めた後も政策修正への期待が根強い状況だ。来週の豪ドル相場も主体性を持った動きにはならない可能性が高いだろう。
なお、来週は24日に12月NAB企業景況感指数、25日には10-12月期と12月のCPI、27日には10-12月期卸売物価指数(PPI)と10-12月期輸入物価指数の発表が予定されているほか、26日は建国記念日の祝日で休場となる。CPIの後とあって市場の注目度は落ちるが、27日公表の10-12月PPIにも注目しておきたい。
隣国NZからは25日に10-12月期CPI、27日に1月ANZ企業信頼感が公表予定。CPIは4-6月期が前年同期比7.3%、7-9月期が7.2%で推移しており、インフレがピークアウトしたかを改めて確認する必要がある。NZでは22日に実施される与党労働党の党首選にも注目。アーダーン首相は19日、2月7日までに退任する意向を表明しており、NZ議会で過半数を握る労働党の新党首が次期首相に選出される見通しだ。なお、アーダーン首相は次回総選挙を10月14日に実施するとの意向も表明している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策に注目。18日に公表された12月CPIは前年同月比で7.2%となり、11月の7.4%からは伸びが鈍化。インフレがピークアウトした可能性も高まっているが、依然としてSARBのインフレ目標(3-6%)を上回る状況が続いている。市場では26日の会合で25-50bpの利上げを見込んでおり、利上げ幅や今後の金融政策見通しについても注目しておきたい。また、与党アフリカ民族会議(ANC)がSARBの責務変更を求めていることから、中銀の独立性についての姿勢にも注意が必要となりそうだ。
1月16日週の回顧
豪ドルは上値の重い動き。米インフレ指標の鈍化で対ドルでは強含む場面があったものの、その後は株安を受けたリスク回避の売りに押された。対円でも日銀会合後に一時急伸したが、一巡後は再び円買い圧力が強まったことで売り優勢となった。
ZARも対円では日銀の金融政策公表後に一時買いが進んだものの、その後は全般に円買いが強まるなか、年初来の安値を更新した。(了)