週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、対円での急変動に警戒

◆豪ドル、日銀金融政策決定会合後、対円での急変動に警戒
◆豪ドル、対NZドルでの動きに注目
◆ZAR、CPIでインフレ鈍化傾向を確認へ

予想レンジ
豪ドル円 86.00-92.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円

1月16日週の展望
 豪ドルは対円中心に動意づく展開か。今週は、日銀の政策修正への思惑を高める報道が伝わり、12日には円相場が全般に買われる場面があった。17-18日に開催される日銀金融政策決定会合に市場の注目が集まっており、結果次第では円相場が急変動を見せる可能性もあるだろう。豪ドル円も当然ながらその影響を受けることになるため、注意が必要となる。

 もっとも、昨年12月の会合とは違って今回は円売り・円買いの両面に警戒が必要だ。前回は不意打ち的な「長期金利の許容変動幅拡大」が決定され、市場はパニック的な円買いに走った。今回は事前に報道が伝わって市場も警戒しているため、政策修正などがなければ円の売り戻し、修正されたとしても材料出尽くしの円売りなどの反応を示すことも考えられる。もちろん素直に円買いで反応する可能性もあり、豪ドル円も上下双方のリスクに警戒しておきたい。

 豪州では11日に発表された11月消費者物価指数(CPI)で前月からのインフレ加速が確認されたが、市場の反応は限定的だった。市場の豪準備銀行(RBA)金利予想では今年夏頃に3.75%程度でピークを迎えると想定されており、現在の金利水準(3.10%)からの追加利上げ余地も限られるなか、金利先高観という点では豪ドルは相対的に弱い状況が続くだろう。

 なお、来週は17日に1月ウエストパック消費者信頼感指数、19日に12月雇用統計が公表予定。特に雇用統計の内容には注目しておきたい。

 隣国NZからは特に重要な経済指標などの発表は予定されていない。市場のNZ準備銀行(RBNZ)金利予想では今年前半に5.40%台まで利上げが予想されており、現在の金利水準(4.25%)からの追加利上げ余地という点では豪ドルよりも優位に立っている。豪ドル/NZドルは昨年9月末から続いていた下落トレンドが12月後半で終了し、足もとでは調整の豪ドル買い・NZドル売りが進んでいる状況だが、来週以降も対豪ドルでのNZドル売りが継続するか注目される。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も対円での動向が焦点となる。来週は18日に12月消費者物価指数(CPI)や11月小売売上高の発表が予定されている。南アフリカのCPIからは昨年後半にインフレがピークアウトした可能性が高まっており、12月分でもインフレの鈍化傾向が維持されるか確認しておきたい。

1月9日週の回顧
 豪ドルは対円で売りが強まった。一部報道をきっかけに日銀の政策修正への思惑が高まるなか、クロス円でも全般に円買いが強まった流れに沿った。対ドルではしばらく方向感の乏しい推移となっていたが、12日の米CPI発表後に米金利が急低下するなか、0.69ドル台後半まで値を上げている。ZARは対円では日銀関連報道で伸び悩む動きに。その一方で、プラチナをはじめコモディティ価格の上昇がランド相場の支えになった面もあった。(了)
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