ロンドン為替見通し=ユーロ 底堅いか、欧州金利の先高観が強まる

 本日のロンドン為替市場でユーロは、欧州金利の先高観の強まりを受けて全般底堅い展開か。本日も欧州金融当局者の発言が注目される。

 昨日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会・議事要旨(12月15日分、0.50%利上げ決定)では、当初は多数が引き上げ幅0.75%を支持したことが明らかになった。ラガルドECB総裁はタカ派を納得させるため、今後について「複数回にわたり0.50%ずつの利上げ」を言及することに合意したもよう。そうなるとやはり、本日予定されているECB総裁の講演でも昨日と同じくインフレへの警戒感が示され、「利上げの方向性を維持する」ことを強調することになりそうだ。

 また昨日は、タカ派のオランダ中銀総裁が「0.50%の利上げを1回に留めることはできない」と発言。本日講演予定の独仏・中銀総裁もほぼ同じスタンスが見込まれる。ただ序盤に発表の12月独生産者物価指数(PPI)が予想されるマイナス幅より大きく下振れた場合、ナーゲル独中銀総裁の発言の変化には注意しておきたい。

 英国では、12月小売売上高が発表予定。前月比は小幅プラスの予想だが、前年比はマイナスが確実視されている。しかしながら昨年末から相場では、2023年の英経済に対する悲観的な見方が既に広がっている。予測が一方に偏り過ぎている感が強まるなか、さえない英指標でも「悪い数値は織り込み済み」との反応もあり得そうだ。

 ポンドは根強い英金利先高観も支えとなり下値の堅さが確認できるようだと、週末にかけて上値を試す場面が見られるのではないか。

想定レンジ上限
・ユーロドルは18日高値1.0887ドルを超えると、昨年4月11日高値1.0954ドル。ポンドドルは昨年12月高値1.2446ドルを超えると、6月10日高値1.2518ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは18日安値1.0767ドル。ポンドドルは昨日安値1.2313ドル。


(小針)
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