ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ドル円、反発

 20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は129.60円と前営業日NY終値(128.43円)と比べて1円17銭程度のドル高水準だった。黒田東彦日銀総裁が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「2%の物価目標を安定的、持続的に達成するため現在の極めて緩和的な金融政策を継続する」と改めて表明したことを受けて全般円売りが先行。米10年債利回りが3.49%台まで上昇したこともドル買いを促し、23時過ぎに一時130.61円まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。日銀の政策修正観測は依然として根強く、130円台では戻り売りなどが出たほか、アジア時間に付けた日通し安値128.36円から2円超上昇した反動でポジション調整目的の売りが出た。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が講演で「2%のインフレ目標にはまだかなりの道のりがある」としながらも、「次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを支持する」と発言すると、FRBの利上げペースが鈍化するとの見通しが強まり129.45円付近まで下押しした。

 ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0856ドルと前営業日NY終値(1.0833ドル)と比べて0.0023ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行し、23時前に1.0802ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測を背景にユーロ買い・ドル売りが出たほか、FRBの利上げペースが鈍化するとの見方から1.0858ドル付近まで持ち直した。

 ユーロ円は反発。終値は140.68円と前営業日NY終値(139.10円)と比べて1円58銭程度のユーロ高水準。黒田総裁が大規模緩和策の継続を再表明すると全般円売りが優勢となり、一時141.20円と日通し高値を更新した。NY午後に入ると、週末を控えたポジション調整の動きに終始した。

 オセアニア通貨は堅調だった。ダウ平均が330ドル超上昇するなど、米株式相場が底堅く推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に買いが集まった。豪ドル米ドルは0.6974米ドル、NZドル米ドルは0.6477米ドルまで値を上げたほか、豪ドル円は90.44円、NZドル円は83.92円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:128.36円 - 130.61円
ユーロドル:1.0802ドル - 1.0859ドル
ユーロ円:139.06円 - 141.20円

(中村)
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