週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、利上げ観測が下支えに
◆豪CPI、33年ぶりの高水準でインフレ加速を確認
◆NZ、野党党首は中銀の責務変更に言及
◆SARB、予想を下回る利上げ幅に
●予想レンジ
豪ドル円 90.00-94.00円
南ア・ランド円 7.20-7.80円
1月30日週の展望
豪ドルは底堅い展開か。2月7日に豪準備銀行(RBA)の金融政策公表を控えるなか、利上げ観測の高まりが相場を下支えすることになりそうだ。
25日に公表された10-12月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比7.8%となり、33年ぶりの高水準となった。RBAが注目しているトリム平均(コアインフレ率の指標)も6.9%と2003年の統計開始以来、最高水準を更新。金利先物市場では2月会合での25bp利上げをほぼ織り込む動きとなっており、この先の金利先高観も高まりつつある。
一方で、来週は31日-2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にも大きな注目が集まっている。米連邦準備理事会(FRB)当局者からはインフレ抑制に向けた姿勢を維持する発言が多く聞かれており、FOMC声明文やパウエルFRB議長の会見内容次第ではドル相場が大きく動意づくことになりそうだ。豪ドルも対ドルを中心に振らされる可能性を考慮し、リスク管理を徹底しておきたい。なお、来週は31日に12月小売売上高、2月2日に12月住宅建設許可件数が公表予定となっている。
隣国NZからは30日に12月貿易収支、2月1日に10-12月期雇用統計、2日に12月住宅建設許可件数が発表される。22日に実施された与党労働党の議員総会ではヒプキンス氏が選出され、25日に首相に就任した。同国では深刻なインフレが進行する中で労働党の支持率が低下。最新の世論調査では野党国民党にリードを許しているが、国民党のラクソン党首は10月の総選挙に勝利した場合、NZ準備銀行(RBNZ)の責務を現在の「持続可能な最大雇用とインフレ抑制」から「インフレ抑制」のみに変更したいと言及している。RBNZの金融政策にも大きな影響を及ぼすことが予想されるなか、まずは支持率回復に向けたヒプキンス首相の次の一手が注目される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。南アフリカ準備銀行(SARB)は26日の会合で政策金利を7.00%から7.25%に引き上げた。市場予想の50bpを下回る利上げ幅となったが、声明では「インフレリスクが上昇している」とも言及しており、インフレ抑制に向けた姿勢は崩さなかった。その一方で、今年の成長率見通しを大きく下方修正しており、同国のスタグフレーション(インフレ下の景気後退)懸念はさらに高まった格好だ。また、SARBはZARの下落リスクが高まったことにも言及しており、今後も下値余地拡大に注意する必要があるだろう。
1月23日週の回顧
豪ドルは強含み。週明けから本邦長期金利の低下を手掛かりにした円売りが先行するなか、豪ドルも対円では買いが進んだ。また、豪CPIが市場予想を上回る結果となったことも豪ドル買いを誘った面があった。ZARは対ドル・対円ともにやや方向感の乏しい動き。対円では年初来安値を更新した先週から売り一服となったが、戻りも限られた。(了)
◆NZ、野党党首は中銀の責務変更に言及
◆SARB、予想を下回る利上げ幅に
●予想レンジ
豪ドル円 90.00-94.00円
南ア・ランド円 7.20-7.80円
1月30日週の展望
豪ドルは底堅い展開か。2月7日に豪準備銀行(RBA)の金融政策公表を控えるなか、利上げ観測の高まりが相場を下支えすることになりそうだ。
25日に公表された10-12月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比7.8%となり、33年ぶりの高水準となった。RBAが注目しているトリム平均(コアインフレ率の指標)も6.9%と2003年の統計開始以来、最高水準を更新。金利先物市場では2月会合での25bp利上げをほぼ織り込む動きとなっており、この先の金利先高観も高まりつつある。
一方で、来週は31日-2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にも大きな注目が集まっている。米連邦準備理事会(FRB)当局者からはインフレ抑制に向けた姿勢を維持する発言が多く聞かれており、FOMC声明文やパウエルFRB議長の会見内容次第ではドル相場が大きく動意づくことになりそうだ。豪ドルも対ドルを中心に振らされる可能性を考慮し、リスク管理を徹底しておきたい。なお、来週は31日に12月小売売上高、2月2日に12月住宅建設許可件数が公表予定となっている。
隣国NZからは30日に12月貿易収支、2月1日に10-12月期雇用統計、2日に12月住宅建設許可件数が発表される。22日に実施された与党労働党の議員総会ではヒプキンス氏が選出され、25日に首相に就任した。同国では深刻なインフレが進行する中で労働党の支持率が低下。最新の世論調査では野党国民党にリードを許しているが、国民党のラクソン党首は10月の総選挙に勝利した場合、NZ準備銀行(RBNZ)の責務を現在の「持続可能な最大雇用とインフレ抑制」から「インフレ抑制」のみに変更したいと言及している。RBNZの金融政策にも大きな影響を及ぼすことが予想されるなか、まずは支持率回復に向けたヒプキンス首相の次の一手が注目される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。南アフリカ準備銀行(SARB)は26日の会合で政策金利を7.00%から7.25%に引き上げた。市場予想の50bpを下回る利上げ幅となったが、声明では「インフレリスクが上昇している」とも言及しており、インフレ抑制に向けた姿勢は崩さなかった。その一方で、今年の成長率見通しを大きく下方修正しており、同国のスタグフレーション(インフレ下の景気後退)懸念はさらに高まった格好だ。また、SARBはZARの下落リスクが高まったことにも言及しており、今後も下値余地拡大に注意する必要があるだろう。
1月23日週の回顧
豪ドルは強含み。週明けから本邦長期金利の低下を手掛かりにした円売りが先行するなか、豪ドルも対円では買いが進んだ。また、豪CPIが市場予想を上回る結果となったことも豪ドル買いを誘った面があった。ZARは対ドル・対円ともにやや方向感の乏しい動き。対円では年初来安値を更新した先週から売り一服となったが、戻りも限られた。(了)