東京為替見通し=ドル円、方向感を探る展開 今週は重要イベント目白押し

 27日のニューヨーク為替市場でドル円は129円後半を中心に上下。12月米個人消費支出(PCE)デフレーターで米インフレ鈍化を確認後に下押しした場面でも129.50円台までだった。ユーロドルも米PCE後に強含むも、ロンドンフィキシングにかけては1.0840ドル割れまで反落するなど方向感が出なかった。ユーロ円は140.82円を下値に141円前半での値動き。

 今週は重要イベントが目白押しだが、本日のドル円に関しては方向感を探る展開か。月末絡みの実需フローに振らされる場面もありそうだ。基本的には先週後半からのレンジ、129円付近から130円半ばを中心とした値動きを想定する。

 今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、英中銀金融政策委員会(MPC)、欧州中央銀行(ECB)理事会が政策を公表する。その他、米国からは重要視される1月サプライマネジメント協会(ISM)や同月の雇用指標が発表予定だ。また、株式市場を左右するであろうハイテクジャイアント企業の10-12月期決算内容も明らかになる。

 FOMCに関しては0.25%の利上げが完全に織り込まれており、市場参加者の目は年央以降に向いている。インフレ基調の減速は確かであり、短期金融市場は利下げについて期待を高め始めた。先行きについて金融当局がどのような見解を示すのかを確認するまでは、思惑で上下することになるだろう。FOMCの結果発表前によく話題にあがる米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャーの記事やツイートにも注意しておいたほうがよさそうだ。

 円金利の動向にも依然として目を向ける必要はある。先週は大手邦銀から「すでに政策金利の上昇に備えたポジション構築を進めている」や「YCCを再び修正しマイナス金利からの脱却を果たすシナリオは十分に起こり得る」などの発言が伝わった。日銀はオペで金利上昇を抑制する姿勢は示し続けるのだろうが、本邦インフレが上昇基調を強めるなかでは、近いうちに緩和政策の修正圧力がさらに高まるとの見方は変わりそうにないか。

 なお、中国本土では春節が終わり、本日から株式市場が再開する。コロナ政策の転換で感染拡大への懸念は残るものの、経済活動が活発化する期待は高い。春節前に強含んでいたところから一段と上値を試すような展開となれば、中国リスクに敏感な豪ドルへの買いが強まる場面もありそうだ。

(小針)
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