東京為替見通し=明日のFOMC控え神経質な動きに、豪・中の経済指標にも注目

 海外市場でドル円はじりじりと下値を切り上げた。米長期金利の上昇に伴うドル買いが出て一時130.57円まで上昇した。ユーロドルも1.0839ドルまでユーロ安ドル高に振れた。

 本日の東京時間のドル円は、月末に絡んだ実需フローや米金融政策への思惑で引き続き神経質な動きになりそうだ。昨日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて欧米市場では米金利が上昇し、連れてドル円は底堅い動きとなった。

 米金利については、スペインのインフレ率が予想以上に上昇していたことで欧州金利が上昇し、それに追随した面もあったようだ。また、米WSJ紙のFEDウォッチャーとして知られるティミラオス記者によるタカ派的な見方の記事やツイートも、年央以降に米利下げを期待する市場筋をけん制した形となった。欧州金利、FEDウォッチャーの記事に関する反応は既に終わっているとすれば、結局はFOMC待ちということになり、強い方向感は出づらいかもしれない。

 本日は本邦12月完全失業率、12月商業販売統計速報ほか複数の経済指標が発表される。ここ最近は日本のインフレ指標には市場が反応するようになっているが、本日の指標での反応は限られそうだ。なお、昨日の東京仲値(9時55分頃)では、かなり売り買いが交錯していた。本日も本邦実需のフローがでやすいといわれる仲値や11時頃、また14時前後の動きには気を付けておきたい。

 また、豪州からは12月小売売上高が発表予定。米株が弱かったことからアジア株も軟調推移が予想され、リスクに敏感な豪ドルも上値の重さが意識されると思われる。そういったなか、もし小売売上高が下振れるようであれば、豪ドルが下げ幅を広げる場面があるかもしれない。

 そのほか、中国の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)も発表が予定されている。コロナ感染の急拡大が一旦落ち着き、消費の回復が見られるなか、同指数は4カ月ぶりに景気判断の分岐点となる50を上回ることが期待されている。もっとも海外市場で香港・中国株先物指数は軟調に推移しており、PMIが想定したほど回復してないようであれば、リスクセンチメントの悪化につながってしまうかもしれない。

 なお、NY市場では反応は鈍かったが「イスラエルの無人機がイランの武器施設を攻撃した」との報道が流れるなど、中東情勢の動きにも目を配りたい。

(松井)
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