ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、続落

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は128.98円と前営業日NY終値(130.09円)と比べて1円11銭程度のドル安水準だった。1月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が10.6万人増と予想の17.8万人増を下回り、1月米ISM製造業景気指数が47.4と予想の48.0より弱い内容となったことを受け、全般ドル売りが優勢となった。
 注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り0.25%の利上げが実施され、声明では「インフレ目標達成のため、継続的な利上げが適切になると予想する」とした前回までの表現が維持された。利上げを一時停止する用意が示唆されなかったことで一時129.87円付近まで下げ渋る場面があった。
 ただ、戻りは鈍かった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で「継続的な利上げは適切」としながらも、「引き締め過ぎは望んでいない」「ディスインフレプロセスが始まった」などと述べたことが意識されると、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが活発化し、一時128.55円と日通し安値を更新した。
 なお、パウエル氏はインフレ率が低下しつつあることを歓迎しつつも、その傾向が続くかどうかについては慎重な見方を示し、「予測通りの経済動向なら、年内の利下げは想定しない」と述べたが、FF金利先物市場では年内の利下げが見込まれている。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0990ドルと前営業日NY終値(1.0863ドル)と比べて0.0127ドル程度のユーロ高水準だった。FOMC声明で「継続的な利上げが適切」と再表明されたことを受けて一時1.0889ドル付近まで下押しする場面もあったが、パウエル氏の発言をきっかけに米長期金利が大幅に低下すると一転ドル売りが優勢となった。5時過ぎには一時1.1000ドルと昨年4月4日以来約10カ月ぶりの高値を更新した。

 ユーロ円は反発。終値は141.70円と前営業日NY終値(141.32円)と比べて38銭程度のユーロ高水準。日本時間夕刻に一時141.83円と本日高値を付けたものの、NY市場に入ると140.91円の本日安値まで失速した。ただ、そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り141.78円付近まで持ち直している。

本日の参考レンジ
ドル円:128.55円 - 130.41円
ユーロドル:1.0852ドル - 1.1000ドル
ユーロ円:140.91円 - 141.83円

(中村)
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