株式明日の戦略-反落も27600円は割り込まず、パウエル議長の講演に注目が集まる

 7日の日経平均は5日ぶり小幅反落。終値は8円安の27685円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり901/値下がり827。米国の長期金利上昇を手がかりに三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行がそろって大幅高。「スシロー」を展開するF&LCは1Qが大幅減益となったものの、9%を超える上昇と非常に強い動きを見せた。前期の利益見通しを引き上げたコーセーや資生堂が買いを集め、同業のファンケルにも資金が向かった。また、化粧品の容器などを手がける竹本容器も、今期のV字回復見通しを発表したことで騰勢を強めた。

 一方、下方修正を発表したJFEHDが8%を超える下落。日本製鉄や神戸鋼など同業にも売りが波及した。引け後に決算発表を控えていたソフトバンクGが軟調。米長期金利の上昇へを嫌気して東急不動産や住友不動産など不動産株が全般売りに押された。3Q決算が失望を誘った八千代工業が18.5%安と急落。下方修正を発表したヤマシンフィルタがストップ安となった。

 日経平均は後場に下げに転じたが、きょうはプラスでもマイナスでもあす以降には影響しないと思えるくらい、方向感に乏しい1日であった。銀行株が米国の長期金利上昇に強い反応を示したことは安心材料。
 
 米国では7日、パウエルFRB議長の講演とバイデン大統領による一般教書演説が予定されている。これらが米国株の売り材料となるとすれば、インフレへの警戒が再燃して米国の長期金利が上昇するというケースが考えられる。その場合、国内でもハイテクグロース株には厳しい地合いが想定されるが、総売り状態とはならずに金融株には資金が向かうと期待できる。

 一方、特にタカ派的な発言がなく、米国株がこれらを材料に買われるようなら、今の日本株は素直に連れ高する可能性が高い。先週までの日経平均は、27500円より上が非常に重かった。しかし、今週に入ってきのうときょうは、安値でも27600円を割り込んでいない。注目の材料を消化するあすも27600円より上で推移できるようなら、近いうちに28000円どころを試しに行く動きが見られるだろう。
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