欧州マーケットダイジェスト・8日 株高・金利上昇・ドル底堅い

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=131.25円(8日15時時点比△0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.81円(△0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0728ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:7885.17(前営業日比△20.46)
ドイツ株式指数(DAX):15412.05(△91.17)
10年物英国債利回り:3.313%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.363%(△0.014%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
ポーランド中銀、政策金利     6.75%で据え置き    6.75%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。欧州勢がドル売りで参入すると、18時過ぎに一時130.60円と日通し安値を付けたものの、前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のインタビュー中につけた安値130.48円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米長期金利が上昇に転じたこともドル買い戻しを促し、1時前に一時131.54円と日通し高値を更新した。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁がイベントで「FF金利を今年、5-5.25%に引き上げることは引き続き妥当」「インフレ抑制には数年間、十分に制限的な政策スタンスを維持する必要」と述べたことも相場の支援材料。

・ユーロドルは頭が重かった。パウエルFRB議長が前日のインタビューで「ディスインフレのプロセスが始まった」と発言したことが意識され、欧州勢がドル売りで参入。18時過ぎに一時1.0761ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の高値1.0766ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米10年債利回りが上昇に転じ、一時3.6904%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録したことも相場の重しとなった。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言もドル買いを促すと、一時1.0714ドルと日通し安値を更新した。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁は「市場はインフレ傾向に関して楽観的すぎる可能性」「3月以降の追加利上げを除外しない」と述べたほか、クノット・オランダ中銀総裁は「5月に0.50%の利上げが必要になる可能性」と発言したものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は下値が堅い。20時30分過ぎに一時140.38円付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値140.29円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。1時前には141.03円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行。7日に発表した決算と増配・自社株買いが好感されたBPが引き続き買われたことも相場の上昇に寄与した。ただ、取引時間中の史上最高値を更新すると利益確定目的の売りが出たため、引けにかけては伸び悩んだ。

・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反発。前日の米国株相場の上昇を受けて独株にも買いが先行したものの、買い一巡後は徐々に値動きが鈍り、相場はもみ合いの展開となった。個別ではバイエル(6.01%高)やリンデ(3.04%高)、フレゼニウス・メディカル・ケア(2.28%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECB高官の発言をきっかけにECBが大幅な利上げを継続するとの観測が高まると、独国債に売りが出た。

(中村)
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