株式明日の戦略-米株急落を受けて大幅安、27000円割れを回避できるか

 22日の日経平均は大幅続落。終値は368円安の27104円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり375/値下がり1393。利回り面での妙味から、日本郵船など海運大手3社がそろって上昇。足元のモメンタムが強い日本製鉄や、米金利上昇を追い風にできる三井住友に買いが入った。株式分割を発表したディスコがグロース株に逆風の地合いの中でも上昇。刺激されたかアドバンテストもプラスで終えた。第一三共が3.3%高と強い動き。中期経営計画に関するリリースを手がかりにeWeLLが急伸した。

 一方、米金利の上昇を受けて、ソフトバンクG、ソニーG、リクルート、メルカリなどグロース系の銘柄が強めの下落。エムスリーは増配が好感されず売りに押された。日本郵政が保有株を売却するとの観測が報じられたゆうちょ銀行が6.5%安となり、日本郵政も2.3%安と大幅下落。証券会社のリポートを材料にT&DHDや住友林業が大きく売られた。直近で騰勢を強めていたヘッドウォータースが、プラス圏とマイナス圏を行き来して引けでは8.1%安と荒い動きとなった。

 きょうスタンダードに新規上場したプライム・ストラテジーは、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は大幅安。27000円は割り込まなかったが、終値は27104円で、前場につけた安値27046円からは大きく戻せなかった。休場明けの金曜24日には、2日分の米国株の値動きを消化する。21日に大幅安となった米国株が22日、23日のうちに持ち直してくれるかどうか。均して弱かった場合、日経平均は27000円を割り込む可能性が高い。その場合、ここから先は次回の日銀会合(3/9~10)や米2月雇用統計(3/10)を意識し始めるであろうから、しばらく上値は重くなると予想する。大崩れを回避できるかを占う意味で、ここ2日間の米国株の動向は大きく注目される。

 24日は寄り前に1月全国消費者物価指数(CPI)の発表があり、衆議院では日銀総裁・副総裁候補者に対する所信聴取が行われる予定。CPIがかなり強かった場合には、日銀の政策修正に対する警戒が強まる可能性があり、要注意。新総裁候補の植田和男氏がここで市場を不安定にさせる発言をするとは思えないが、次回3月の日銀会合はまだ黒田総裁の下で行われる。黒田総裁が最後にサプライズ的な施策を出してくる可能性はゼロではない。これまでは金利が上昇するならバリュー株を買えば良いという雰囲気があったが、日経平均の先安観が強まった場合には株式そのものから資金が流出しやすくなる。27000円までで踏みとどまってほしい局面だ。
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