欧州マーケットダイジェスト・23日 株まちまち・金利低下・ドル底堅い

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.80円(23日15時時点比▲0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.69円(▲0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0585ドル(▲0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:7907.72(前営業日比▲22.91)
ドイツ株式指数(DAX):15475.69(△75.80)
10年物英国債利回り:3.587%(▲0.013%)
10年物独国債利回り:2.478%(▲0.042%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                8.6%       8.5%
1月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                5.3%       5.2%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはさえない。1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が速報値から上方修正されたうえ、エネルギーや食品などを除いたコア指数が予想を上回り、速報値から上方修正されると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続が改めて認識されユーロ買いが入った。22時30分前には1.0621ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0628ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。10-12月期米国内総生産(GDP)改定値でコアPCEが予想を上回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測が強まりユーロ売り・ドル買いが活発化。2時過ぎには一時1.0577ドルと1月6日以来の安値を付けた。

・ドル円は上値が重かった。しばらくは134円台後半でのもみ合いが続いていたが、10-12月期米GDP改定値でコアPCEが前期比年率4.3%と予想の3.9%を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行。前週分の米新規失業保険申請件数が19.2万件と予想の20.0万件より強い内容となったことも相場の支援材料となり、一時135.36円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、135円台では戻り売り意欲が強く、滞空時間は短かった。一時は3.9742%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した米10年債利回りが3.88%台まで低下したことも相場の重しとなった。高く始まった米国株が下落に転じるとリスク回避の円買いも入り、一時134.63円と日通し安値を更新した。

・ユーロ円はドル円と似た動き。23時前に一時143.52円と本日高値を付けたものの、2時過ぎには142.60円と本日安値を更新した。

・トルコリラ円もドル円につれた動きとなり、7.17円と本日高値を付けたあと7.13円の本日安値まで一転下落した。なお、トルコ中銀はこの日、政策金利を現行の9.00%から8.50%に引き下げることを決めたと発表。声明では「現状の金融緩和策は、地震からの景気回復を下支えする」「地震の影響を注視していく」「地震による景気減速は一時的なもの」との見解を示した。

・ロンドン株式相場は3日続落。2022年12月期通期決算が減収減益となった資源大手のアングロ・アメリカンが売られると、他の資源株にも売りが出て指数の重しとなった。半面、22年12月期通期決算で、予想を上回る営業増益を発表した英航空機エンジン大手のロールス・ロイス・ホールディングス株が急騰すると、資本財株へ買いが入り相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は続伸。エネルギー価格の下落などを背景にユーロ圏の景況感が改善し、景気を巡る悲観的な見方が後退すると、独仏など欧州の主要株価指数が上昇した。個別ではシーメンス・エナジー(2.96%高)やエーオン(1.71%高)、ボノビア(1.66%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。

(中村)
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