NY株見通し-神経質な展開か 新規失業保険申請件数や要人発言に注目

 今晩のNY市場は神経質な展開か。昨日は半導体株が軒並み上昇し、ナスダック総合が3日ぶりに反発し、S&P500も小幅ながら反発した一方、ダウ平均は小幅に続落した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日の上院に続いて下院の議会証言でもターミナルレート(利上げの最終到達点)が当初の見通しよりも高くなる可能性があるとしたことや、米2月ADP民間部門雇用者数や米1月JOLTS求人件数が予想を上回る強い結果となったことで利上げの長期化見通しが強まり、ダウ平均は243ドル安まで下落する場面もあった。3月21-22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では前回に続いて0.25%利上げが見込まれていたが、パウエルFRB議長の発言や強い経済指標を受けて0.50%の大幅利上げ見通しが強まった。ただ、パウエルFRB議長は3月FOMCでの利上げ幅はデータ次第とも発言しており、今週末に発表される米2月雇用統計や来週発表の米2月消費者物価指数(CPI)に要注目となる。今晩の取引では寄り前に発表される新規失業保険申請件数やバーFRB副議長の発言を睨んだ神経質な展開となりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、2月チャレンジャー企業人員削減数 、米30年債入札など。企業決算は引け後にアルタ・ビューティー、オラクルなどが発表予定。(執筆:3月9日、14:00)
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