NY為替見通し=米雇用統計を明日に控え、本日の雇用関連指標にも神経質に反応か

 NYタイムは、明日に需要な米雇用関連指標である雇用統計の公表を控えるなか、同指標に臨む市場のムードを左右する失業保険関連の数値が発表となる。その前に2月の企業人員削減数の発表も予定されている。

 人員削減数の数字はこれまでさほど注目を集めてこなかったが、昨日発表のADP全米雇用報告など民間調査の結果ほか、米労働省のJOLT(求人労働移動調査)による求人件数なども先行・関連指標として注目が集まりやすくなっている。米金融政策の行方を占うために、市場は経済・雇用の動向に神経質に反応する可能性がある。

 昨日は、その前日の発言で市場のタカ派傾斜を促したパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、「21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に重要なデータの発表がある」「FOMCについてまだ何も決定していない。データ次第」などと述べ、市場のタカ派度合いが緩和する場面もあった。その後、改めて「金利の最終到達水準(ターミナルレート)は予想以上に高くなる可能性がある」との考えを示したため、いったん低下した金利水準は持ち直したが、市場が神経質になっている状態がここからもうかがわれた。

 「データ次第」としているなかでも注目度が高い明日の米雇用統計を前に、関連指標へ敏感に反応することも考えられる。荒っぽい上下で高値を掴んだり、安値を売り込んだりするリスクに警戒が必要となる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、本日ここまでのレンジ上限137.38円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、6日安値135.37円。

(関口)
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