NY株見通し-金融政策の見通しを巡り2月雇用統計に注目

 今晩のNY市場は米2月雇用統計に注目。昨日は新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことを好感し上昇してスタートしたものの、地銀のSVBファイナンシャルが60%超暴落し、このほかの金融株も軒並み安となったことで主要3指数がそろって大幅安となった。週初来では主要3指数がそろって3%を超える下落となり、ダウ平均は昨年11月9日以来、4カ月ぶりに長期トレンドラインの200日移動平均線を割り込んだ。金融株はバンク・オブ・アメリカとウェルズ・ファーゴが6%超下落し、JPモルガン・チェースも5%超下落。S&P500の金融株指数は4.1%安と2020年以来の大幅安を記録した。引け後の動きでは決算や見通しが嫌気されたギャップが時間外で8.2%安、オラクルが3.8%安、アルタ・ビューティーが1.8%安となり、SVBファイナンシャルも時間外で22%安と下落幅を拡大した。
 今晩の取引では、金融株や決算発表銘柄の下落が重しとなることが見込まれる中、寄り前に発表される米2月雇用統計に注目が集まる。先月3日に発表された1月雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が51.7万人増と市場予想の18.5万人増を大幅に上回り、失業率も12月分の3.5%から3.4%へと予想の3.6%に反して低下したことで、米連邦準備理事会(FRB)による利上げの長期化見通しが強まった。2月分はNFPが20.5万人増、失業率が3.4%と予想されているが、予想以上に強い結果となれば、利上げの長期化やターミナルレート(利上げの最終到達点)の一段の上昇懸念が相場の重しとなりそうだ。

 今晩の米経済指標は2月雇用統計のほか、2月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:3月10日、14:00)
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