欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利低下・ドル安
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.74円(10日15時時点比▲1.89円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.74円(▲0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0668ドル(△0.0082ドル)
FTSE100種総合株価指数:7748.35(前営業日比▲131.63)
ドイツ株式指数(DAX):15427.97(▲205.24)
10年物英国債利回り:3.640%(▲0.156%)
10年物独国債利回り:2.508%(▲0.135%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
2月独消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.8% 0.8%
前年比 8.7% 8.7%
1月英国内総生産(GDP、前月比) 0.3% ▲0.5%
1月英鉱工業生産指数(前月比) ▲0.3% 0.3%
製造業生産高(前月比) ▲4.3% ▲4.0%
1月英商品貿易収支 178.55億ポンドの赤字 192.71億ポンドの赤字
1月英貿易収支 58.61億ポンドの赤字 71.50億ポンドの赤字
1月仏貿易収支 129.39億ユーロの赤字 147.26億ユーロの赤字・改
1月仏経常収支 36億ユーロの赤字 76億ユーロの赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一転急落した。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めたことなどを背景に、欧州勢が円売り・ドル買いで参入。20時前に一時136.99円と日通し高値を更新した。
ただ、2月米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びず、失業率が予想に反して悪化したことが分かると、米金利の大幅低下とともにドル売りが進んだ。米シリコンバレーバンク(SVB)の持ち株会社であるSVBファイナンシャル・グループの経営難が、金融システム不安につながりかねないとの警戒も相場の重しとなり、134.12円まで大幅に値を下げた。米金融政策の影響を受けやすい米2年債の利回りは一時28bpを超す大幅な低下となった。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の2倍にあたる0.50%の利上げ確率が前日の68%近辺から28%近辺まで低下し、0.25%の利上げを予想する確率が前日の約32%から約72%まで上昇する場面があった。
・ユーロドルは上昇。しばらくは1.05ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の結果を受けて3月FOMCでの大幅利上げ観測が後退すると、全般ドル売りが優勢になった。米長期金利の大幅低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1時前に一時1.0701ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは104.04付近まで低下した。
・ユーロ円は頭が重かった。日銀が金融緩和策を維持したことで一時145.10円と日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると失速した。ドル円の急落をきっかけに全般円買いが進んだ流れに沿って、一時143.49円と日通し安値を更新した。経営難に陥っているSVBファイナンシャル・グループの先行きを巡る不透明感が根強い中、欧米株価が軟調に推移したことも相場の重し。
なお、米連邦預金保険公社(FDIC)はこの日、SVBが経営破綻し事業を停止したと発表した。FDICが破綻管財人となり、預金保護を発動する。
・ロンドン株式相場は大幅に続落。米SVBファイナンシャル・グループの保有債券の売却による巨額の損失計上をきっかけに、金融システム不安への警戒が高まり銀行株中心に売りが膨らんだ。HSBCが4%超、ロイズ・バンキングとバークレイズが3%超の大幅安となった。
・フランクフルト株式相場は反落。前日に財務状況の悪化が明らかになった米SVBファイナンシャル・グループが暴落し、金融不安の広がりを懸念した売りが欧州の銀行株にも波及した。なお、フランスの株価指数は1.30%安、スペインは1.47%安、イタリアは1.55%安となった。
・欧州債券相場は上昇。株価の下落で投資家がリスクを回避する姿勢を強めると、相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=134.74円(10日15時時点比▲1.89円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.74円(▲0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0668ドル(△0.0082ドル)
FTSE100種総合株価指数:7748.35(前営業日比▲131.63)
ドイツ株式指数(DAX):15427.97(▲205.24)
10年物英国債利回り:3.640%(▲0.156%)
10年物独国債利回り:2.508%(▲0.135%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
2月独消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.8% 0.8%
前年比 8.7% 8.7%
1月英国内総生産(GDP、前月比) 0.3% ▲0.5%
1月英鉱工業生産指数(前月比) ▲0.3% 0.3%
製造業生産高(前月比) ▲4.3% ▲4.0%
1月英商品貿易収支 178.55億ポンドの赤字 192.71億ポンドの赤字
1月英貿易収支 58.61億ポンドの赤字 71.50億ポンドの赤字
1月仏貿易収支 129.39億ユーロの赤字 147.26億ユーロの赤字・改
1月仏経常収支 36億ユーロの赤字 76億ユーロの赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一転急落した。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めたことなどを背景に、欧州勢が円売り・ドル買いで参入。20時前に一時136.99円と日通し高値を更新した。
ただ、2月米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びず、失業率が予想に反して悪化したことが分かると、米金利の大幅低下とともにドル売りが進んだ。米シリコンバレーバンク(SVB)の持ち株会社であるSVBファイナンシャル・グループの経営難が、金融システム不安につながりかねないとの警戒も相場の重しとなり、134.12円まで大幅に値を下げた。米金融政策の影響を受けやすい米2年債の利回りは一時28bpを超す大幅な低下となった。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の2倍にあたる0.50%の利上げ確率が前日の68%近辺から28%近辺まで低下し、0.25%の利上げを予想する確率が前日の約32%から約72%まで上昇する場面があった。
・ユーロドルは上昇。しばらくは1.05ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の結果を受けて3月FOMCでの大幅利上げ観測が後退すると、全般ドル売りが優勢になった。米長期金利の大幅低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1時前に一時1.0701ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは104.04付近まで低下した。
・ユーロ円は頭が重かった。日銀が金融緩和策を維持したことで一時145.10円と日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると失速した。ドル円の急落をきっかけに全般円買いが進んだ流れに沿って、一時143.49円と日通し安値を更新した。経営難に陥っているSVBファイナンシャル・グループの先行きを巡る不透明感が根強い中、欧米株価が軟調に推移したことも相場の重し。
なお、米連邦預金保険公社(FDIC)はこの日、SVBが経営破綻し事業を停止したと発表した。FDICが破綻管財人となり、預金保護を発動する。
・ロンドン株式相場は大幅に続落。米SVBファイナンシャル・グループの保有債券の売却による巨額の損失計上をきっかけに、金融システム不安への警戒が高まり銀行株中心に売りが膨らんだ。HSBCが4%超、ロイズ・バンキングとバークレイズが3%超の大幅安となった。
・フランクフルト株式相場は反落。前日に財務状況の悪化が明らかになった米SVBファイナンシャル・グループが暴落し、金融不安の広がりを懸念した売りが欧州の銀行株にも波及した。なお、フランスの株価指数は1.30%安、スペインは1.47%安、イタリアは1.55%安となった。
・欧州債券相場は上昇。株価の下落で投資家がリスクを回避する姿勢を強めると、相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
(中村)