今日の株式見通し=軟調か 米国株は金融機関の破たんを受けてリスクオフ

 東京市場は軟調か。先週末の米国株は下落。ダウ平均は345ドル安の31909ドルで取引を終えた。SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンクが経営破綻したことで、金融株を中心に売りに押された。2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が31.1万人増と、20万人程度を見込んでいた市場予想を上回った。しかし、失業率が3.6%と1月の3.4%を上回ったことなどから、インフレ高進への警戒は後退。リスクオフの様相が強まったこともあり、10年債利回りは急低下した。ドル安(円高)が進み、ドル円は足元134円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて335円安の27525円、ドル建てが265円安の27595円で取引を終えた。なお、CME225先物は3月の権利落ちまでは、配当落ち(255円程度)の影響が含まれている分、見た目の水準が引き下げられる。

 先週に浮上してきた米金融機関の混乱が深刻化しており、警戒売りに押されることになるだろう。破たんしたシリコンバレーバンクはスタートアップ企業との関係が深く、連鎖的な悪影響は限定的かもしれない。日本は米国と比べるとベンチャー投資の規模は小さいし、金利も大きくは上昇していない。グローバルで見ればより一層投資しやすい市場と映る可能性はある。ただ、きょうに関しては買いは手控えられる一方で、リスク回避の売りは急がれやすい。金融株にはかなり厳しい地合いが想定され、円高進行で売られる銘柄も多くなると見込まれる。日経平均はスタートから節目の28000円を割り込むことになりそう。ただ、25日線(27705円、10日時点)は一定のサポートとして期待できるとみており、まずは下を試しに行き、売り一巡後は同水準での一進一退が続くと予想する。日経平均の予想レンジは27600円-27900円
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