欧州マーケットダイジェスト・14日 株高・金利上昇・円安

(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.38円(14日15時時点比△0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.23円(△0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0733ドル(△0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:7637.11(前営業日比△88.48)
ドイツ株式指数(DAX):15232.83(△273.36)
10年物英国債利回り:3.488%(△0.118%)
10年物独国債利回り:2.420%(△0.161%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月英雇用統計
失業率                3.8%      3.8%・改
失業保険申請件数          ▲1.12万件   ▲3.03万件・改
11-1月英失業率(ILO方式)      3.7%       3.7%
2月スイス生産者輸入価格(前月比)  ▲0.2%      0.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。欧米株価が反発したことで投資家のリスク回避姿勢が緩むと円売り・ドル買いが優勢となった。米2年債利回りが41bp超上昇するなど、米金利上昇に伴う円売り・ドル買いも出て23時前に一時134.90円と日通し高値を更新した。
 前日にかけて急落した銀行株が買い直されたことで、NYダウは一時480ドル超上昇した。また、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は2%高で取引を終えた。2月米消費者物価指数(CPI)が前年同月比6.0%上昇と市場予想通り8カ月連続で鈍化したことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った。

・ユーロドルは日本時間夕刻に一時1.0679ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。複数の米銀破綻を受けて金融システムリスクへの警戒が広がる中、米金融当局が前週末に預金の全額保護や資金供給などの救済策を発表。この日の欧米株価が反発したことで、リスク・オフの巻き戻しによるユーロ買い・ドル売りが優勢となった。21時30分過ぎに一時1.0749ドルと日通し高値を更新した。ただ、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出たため、上値は限定的だった。

・ユーロ円は一転上昇。アジア株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行すると一時142.54円と日通し安値を付けたものの、欧州株相場の反発で一転買い戻しが進んだ。米国株の大幅上昇で投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが加速すると、23時過ぎに144.41円と日通し高値を更新した。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅に上昇した。対ドルでは一時2万6510ドル前後、対円では354万台といずれも昨年6月13日以来約9カ月ぶりの高値を更新した。市場では「米銀行セクターを巡る不透明感が高まる中、安全な逃避先としてビットコインへのフローが増えている」との声が聞かれた。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。アジア株相場の下落を受けて売りが先行したものの、米国株が堅調に推移すると英株にも買いが波及した。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。エンジンメーカーのロールスロイスや英防衛大手BAEシステムズなどが買われた。HSBCやバークレイズなど銀行株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。しばらくは前日終値付近でのもみ合いが続いていたが、米国株が大幅に反発すると独株にも買いが波及。引けにかけて大きく値を上げた。個別ではポルシェ(5.60%高)やコメルツ銀行(4.37%高)、ドイツ銀行(4.28%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。前日に急伸した反動で、利益確定目的の売りが出た。

(中村)
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