欧州マーケットダイジェスト・15日 CS急落で株安・金利低下・ユーロ安

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.04円(15日15時時点比▲1.60円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.45円(▲4.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0557ドル(▲0.0181ドル)
FTSE100種総合株価指数:7344.45(前営業日比▲292.66)
ドイツ株式指数(DAX):14735.26(▲497.57)
10年物英国債利回り:3.321%(▲0.167%)
10年物独国債利回り:2.130%(▲0.290%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
前月比                1.1%      ▲1.1%
前年比                12.0%      11.7%
CPIコア指数(前月比)         0.9%      ▲1.3%
CPIコア指数(前年比)         9.4%      9.3%
2月独卸売物価指数(WPI、前月比)   0.1%      0.2%
2月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                1.0%      0.9%
前年比                6.3%      6.2%
1月ユーロ圏鉱工業生産
前月比                0.7%    ▲1.3%・改
前年比                0.9%    ▲2.0%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは大幅安。欧州中央銀行(ECB)関係者の話として「16日のECB定例理事会では、なお0.50%の利上げに傾いている」と伝わったこともあり、しばらくは1.07ドル台で底堅く推移した。
 ただ、スイス金融大手クレディ・スイス・グループを巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられると、同行の株価が30%を超す急落。米銀の破綻が相次ぐ中、欧州でも銀行の経営不安が広がったことから、投資家がリスク回避姿勢を強めユーロ売り・ドル買いが優勢となった。1時前には一時1.0516ドルと1月6日以来の安値を更新した。
 欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は約3.5%の大幅安となった。

・ドル円は頭が重かった。米長期金利が時間外取引で上昇すると、円売り・ドル買いが先行。前日の高値134.90円を上抜けて一時135.11円と日通し高値を付けた。
 ただ、クレディ・スイスの株価急落で金融システム不安が再燃すると、欧米株価が軟調に推移。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、一転下落した。
 NYの取引時間帯に入り、2月米小売売上高や2月米卸売物価指数(PPI)が軒並み予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測が強まった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも優勢となり、一時132.22円と約1カ月ぶりの安値を付けた。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、21-22日のFOMCでは金利据え置きを予想する確率が前日の31%近辺から62%近辺まで上昇した。0.25%の利上げを予想する確率は38%近辺まで低下した。

・ユーロ円は急落。欧州序盤に一時144.96円と日通し高値を付けたものの、その後失速した。金融不安の再燃で欧米株価が軟調に推移する中、リスク回避の円買い・ユーロ売りが広がった。22時過ぎには一時139.48円と約2カ月ぶりの安値を更新した。

・ロンドン株式相場は大幅に反落。経営不振が続くスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が急落すると、金融システム不安が再燃。投資家がリスクを回避する姿勢を強め、金融株中心に売りが膨らんだ。WTI原油先物価格が1年3カ月ぶりの安値を更新したことなどを背景に、BPやシェルなどエネルギー株も売られた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は大幅に反落。経営不振が続くスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が急落すると、金融システム不安が再燃。投資家がリスクを回避する姿勢を強め、株売りが膨らんだ。なお、フランスの株価指数は3.58%安、スペインは4.37%安、イタリアは4.61%安となった。

・欧州債券相場は大幅上昇。欧米の金融システム不安から安全資産とされる独国債を買う動きが強まった。

(中村)
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