ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ユーロドル、売買交錯

 16日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは売買が交錯。24時時点では1.0601ドルと22時時点(1.0588ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、政策金利を0.50%引き上げることを決めたと発表。声明では「インフレは長期に渡り過度に高い水準にとどまる見込み」「市場の緊張を認め、必要に応じて対応する」「将来の決定はデータに依存」と指摘した。
 また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的な物価上昇圧力は依然として強い」「成長見通しへのリスクは下向きに傾いている」「金融市場の緊張は深刻」と述べたほか、「現在の市場の緊張を注意深く監視」「流動性危機は見られないが、必要に応じて対応する準備はできている」などと発言した。金利の道筋については「現時点ではコメントすることは不可能」とした。
 欧米金融機関の経営に対する不安が続く中、ECBが利上げに慎重になるのではないかとの見方もあっただけに、ユーロ買いで反応し一時1.0621ドル付近まで値を上げた。一方、ECBがインフレ抑制を優先する姿勢を示したことで株価が失速した場面では、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て一時1.0551ドルと日通し安値を付けた。

 ドル円は底堅い動き。24時時点では132.61円と22時時点(132.31円)と比べて30銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが3.3635%前後と2月3日以来の低水準を付けると円買い・ドル売りが先行。一時131.72円と約1カ月ぶりの安値を更新した。
 ただ、「モルガンスタンレーとJPモルガンはファースト・リパブリック・バンクの支援強化について協議」との報道が伝わると、安く始まった米国株相場が上昇。ドル円にも買い戻しが入り、132.86円付近まで急速に持ち直した。

 ユーロ円は24時時点では140.58円と22時時点(140.09円)と比べて49銭程度のユーロ高水準。ドル円の下落につれた売りが出て一時139.13円と1月20日以来約2カ月ぶりの安値を付けたものの、経営危機の米銀に支援協議との報道が伝わると、株価の持ち直しとともに140.81円付近まで値を戻した。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:131.72円 - 133.49円
ユーロドル:1.0551ドル - 1.0635ドル
ユーロ円:139.13円 - 141.58円

(中村)
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