週間為替展望(豪ドル/ZAR)-オセアニア通貨、金融不安で買いづらい
◆豪ドル、FOMC後は荒い値動きとなる可能性
◆RBA、3月会合議事要旨で利上げ終了観測が高まるか
◆南ア、悪材料が多く下値リスクを警戒
予想レンジ
豪ドル円 85.00-91.00円
南ア・ランド円 6.90-7.45円
3月20日週の展望
豪ドルはさえない動きとなりそうだ。米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻に端を発した金融システム不安は、スイス金融大手クレディ・スイスなど欧州の金融機関にも飛び火した。当局が対応策を打ち出しているが、欧米金融システム不安が沈静化するかは不透明な状況。欧米金融機関で今後さらに経営不安が浮上するような事態となれば、市場の動揺は広がり、リスク回避の動きが一層強まることも考えられる。投資家のリスク志向が改善するまではしばらく時間を要すると予想され、リスクに敏感なオセアニア通貨は買いを入れづらい状態が続きそうだ。
来週は21-22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されている。金融システム不安やインフレ鈍化などで米金利の先行きが見通しづらくなっており、いつも以上に注目を集めるイベントとなるだろう。FOMC声明文や経済・金利見通し(ドットチャート)、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見などでドル相場が動意づくことも予想され、豪ドルも対ドルを中心に大きく振らされることになりそうだ。
豪州からは21日に豪準備銀行(RBA)の金融政策決定会合議事要旨が公表予定。声明文では前回までの「金融引き締め策を数カ月継続する」から「数カ月」の部分が削除されたほか、「月次のCPIは豪インフレがピークに達したことを示唆」などの見解が示され、市場はハト派的な内容だったと受け止めた。今回の議事要旨で利上げ終了を示唆する材料が得られることができれば、再び豪ドルの売り材料として意識される可能性もあるため注意しておきたい。
隣国NZからは21日に2月貿易収支が発表されるが、相場への影響は限られるだろう。NZドルも豪ドルと同じくFOMCを受けたドル相場の動向次第となりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)も弱含む展開か。市場全般のリスク許容度が低下するなか、ZARなど新興国通貨は売りに押されやすい環境にある。特に南アフリカは深刻な電力不足による景気低迷にくわえ、今月に入って米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げるなど悪材料が多い。新興国通貨の中でも狙い撃ちされやすい通貨なだけに下値リスクに警戒しておきたい。なお、来週は22日に2月消費者物価指数(CPI)が予定されており、南アフリカのインフレ動向も注目されそうだ。
3月13日週の回顧
豪ドルは上値の重い動き。週初はSVBの経営破綻を受けてドル売りが進んだ影響もあり、豪ドルも対ドルを中心に買いが先行した。もっとも、金融システム不安が欧州金融機関にも波及すると市場はリスクオフへと傾き、豪ドルもリスク回避目的の売りに押された。
ZARも伸び悩み。週前半はドル売り・ZAR買いが進む場面も見られたが、クレディ・スイスの経営不安が浮上した週央以降はリスク回避の売りに押される展開に。対円では再び年初来の安値を更新した。(了)
◆RBA、3月会合議事要旨で利上げ終了観測が高まるか
◆南ア、悪材料が多く下値リスクを警戒
予想レンジ
豪ドル円 85.00-91.00円
南ア・ランド円 6.90-7.45円
3月20日週の展望
豪ドルはさえない動きとなりそうだ。米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻に端を発した金融システム不安は、スイス金融大手クレディ・スイスなど欧州の金融機関にも飛び火した。当局が対応策を打ち出しているが、欧米金融システム不安が沈静化するかは不透明な状況。欧米金融機関で今後さらに経営不安が浮上するような事態となれば、市場の動揺は広がり、リスク回避の動きが一層強まることも考えられる。投資家のリスク志向が改善するまではしばらく時間を要すると予想され、リスクに敏感なオセアニア通貨は買いを入れづらい状態が続きそうだ。
来週は21-22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されている。金融システム不安やインフレ鈍化などで米金利の先行きが見通しづらくなっており、いつも以上に注目を集めるイベントとなるだろう。FOMC声明文や経済・金利見通し(ドットチャート)、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見などでドル相場が動意づくことも予想され、豪ドルも対ドルを中心に大きく振らされることになりそうだ。
豪州からは21日に豪準備銀行(RBA)の金融政策決定会合議事要旨が公表予定。声明文では前回までの「金融引き締め策を数カ月継続する」から「数カ月」の部分が削除されたほか、「月次のCPIは豪インフレがピークに達したことを示唆」などの見解が示され、市場はハト派的な内容だったと受け止めた。今回の議事要旨で利上げ終了を示唆する材料が得られることができれば、再び豪ドルの売り材料として意識される可能性もあるため注意しておきたい。
隣国NZからは21日に2月貿易収支が発表されるが、相場への影響は限られるだろう。NZドルも豪ドルと同じくFOMCを受けたドル相場の動向次第となりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)も弱含む展開か。市場全般のリスク許容度が低下するなか、ZARなど新興国通貨は売りに押されやすい環境にある。特に南アフリカは深刻な電力不足による景気低迷にくわえ、今月に入って米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げるなど悪材料が多い。新興国通貨の中でも狙い撃ちされやすい通貨なだけに下値リスクに警戒しておきたい。なお、来週は22日に2月消費者物価指数(CPI)が予定されており、南アフリカのインフレ動向も注目されそうだ。
3月13日週の回顧
豪ドルは上値の重い動き。週初はSVBの経営破綻を受けてドル売りが進んだ影響もあり、豪ドルも対ドルを中心に買いが先行した。もっとも、金融システム不安が欧州金融機関にも波及すると市場はリスクオフへと傾き、豪ドルもリスク回避目的の売りに押された。
ZARも伸び悩み。週前半はドル売り・ZAR買いが進む場面も見られたが、クレディ・スイスの経営不安が浮上した週央以降はリスク回避の売りに押される展開に。対円では再び年初来の安値を更新した。(了)