欧州マーケットダイジェスト・17日 株安・金利低下・円高

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.09円(17日15時時点比▲0.94円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.98円(▲0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0673ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:7335.40(前営業日比▲74.63)
ドイツ株式指数(DAX):14768.20(▲198.90)
10年物英国債利回り:3.284%(▲0.141%)
10年物独国債利回り:2.108%(▲0.182%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                8.5%       8.5%
2月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                5.6%       5.6%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は軟調だった。経営不安が高まっていたスイスの金融大手クレディ・スイスが流動性を確保し、いったんは市場の混乱が沈静化したことから、欧州株相場は高く始まったものの、同行の経営不安に対する市場懸念は晴れず失速した。投資家がリスク回避姿勢を強めると、円買い・ドル売りが優勢となった。
 大手銀行11行による支援が決まったファースト・リパブリック・バンクの株価が再び急落したことも投資家心理の悪化につながり、ダウ平均が一時500ドル近く下落。リスク・オフの円買いが活発化し、一時131.82円と日通し安値を更新した。米ミシガン大学が発表した3月消費者態度指数(速報値)が63.4と予想の67.0より弱い結果となったほか、併せて発表した消費者の期待インフレ率が予想を下回ったこともドル売りを促した。

・ユーロドルは持ち直した。前日に反発したクレディ・スイスの株価が再び下げるなど、金融システム不安を巡る警戒感は根強く、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行した。21時30分過ぎには一時1.0612ドル付近まで値を下げた。
 ただ、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0608ドルが目先サポートとして働くとじりじりと買い戻しが進んだ。米経済指標が予想を下回ったこともユーロ買い・ドル売りを促し、1時30分過ぎに一時1.0676ドルと日通し高値を更新した。市場では「週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った」との声が聞かれた。

・ユーロ円は頭が重かった。欧州株相場が上昇して始まると円売り・ユーロ買いが先行し一時142.21円と日通し高値を付けたものの、欧州株が下げに転じると一転円買い・ユーロ売りが優勢に。米地銀の経営悪化への懸念から米国株が軟調に推移したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎに一時140.16円と日通し安値を更新した。
 ただ、ユーロドルの持ち直しにつれた買いが入ると141.20円付近まで下げ渋る場面があった。

・ロンドン株式相場は反落。前日に反発したスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が再び下落するなど、同行の経営不安に対する市場懸念は晴れず、欧州株全般に売りが波及した。HSBCやバークレイズなど金融株の下げが目立ったほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株に売りが出た。

・フランクフルト株式相場は反落。経営不安が高まっていたスイスの金融大手クレディ・スイスが流動性を確保し、いったんは市場の混乱が沈静化したことから、相場は高く始まったものの、すぐに失速した。同行の経営不安に対する市場懸念は晴れず、同行株価が下落すると他の銘柄にも売りが波及した。米地銀の経営悪化への懸念も相場の重しとなった。

・欧州債券相場は上昇。金融システム不安を巡る警戒感は根強く、相対的に安全資産とされる独国債に買いが集まった。

(中村)
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