ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ドル円、反落

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は131.85円と前営業日NY終値(133.74円)と比べて1円89銭程度のドル安水準だった。前日に反発したスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が再び下げたほか、大手銀行11行による支援が決まったファースト・リパブリック・バンクの株価が30%超急落するなど、金融システム不安を巡る警戒感は根強く、ダウ平均が一時510ドル超下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、一時131.56円と2月14日以来約1カ月ぶりの安値を更新した。「ドイツ銀行など少なくとも大手4行がクレディ・スイスとの取引を制限している」との一部報道も投資家心理の悪化につながった。
 米ミシガン大学が発表した3月消費者態度指数(速報値)が63.4と予想の67.0より弱い結果となったほか、併せて発表した消費者の期待インフレ率が予想を下回ったことも米金利の低下とドル売りを促した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0670ドルと前営業日NY終値(1.0610ドル)と比べて0.0060ドル程度のユーロ高水準だった。欧州の金融機関全般への警戒感からユーロ安・ドル高が進み、21時30分過ぎには一時1.0612ドル付近まで値を下げた。
 ただ、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0608ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。低調な米経済指標や米金利低下に伴うドル売りも強まり、4時前に1.0685ドルと日通し高値を更新した。市場では「週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った」との声も聞かれた。

 ユーロ円は反落。終値は140.67円と前営業日NY終値(141.91円)と比べて1円24銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時142.21円と日通し高値を付ける場面もあったが、欧州株が下げに転じると一転円買い・ユーロ売りが優勢となった。米地銀の経営悪化への懸念から米国株が軟調に推移したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎに一時140.16円と日通し安値を更新した。ただ、ユーロドルの持ち直しにつれた買いが入ると141.20円付近まで下げ渋った。

 メキシコペソは下落。WTI原油先物価格が一時1バレル=65.17ドルと2021年12月以来約1年3カ月ぶりの安値を更新すると、産油国通貨であるメキシコペソに売りが集まった。対ドルでは一時18.9885ペソ、対円では6.95円までペソ安に振れた。
 同じく産油国通貨とされるカナダドルも軟調だった。対ドルでは一時1.3773カナダドル、対円では95.82円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:131.56円 - 133.76円
ユーロドル:1.0608ドル - 1.0685ドル
ユーロ円:140.16円 - 142.21円

(中村)
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