ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ユーロドル、3日続伸

 20日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3日続伸。終値は1.0721ドルと前営業日NY終値(1.0670ドル)と比べて0.0051ドル程度のユーロ高水準だった。経営不安に陥っているスイス金融大手クレディ・スイスについて、同業のUBSが買収することで合意したほか、米連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中銀が米ドル資金供給の拡充で協調を決定。当局による一連の迅速な措置を受けて、欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念がひとまず和らいだ。欧州序盤には一時1.0631ドルと日通し安値を付けたものの、23時前には一時1.0731ドルと日通し高値を付けた。その後も1.07ドル台前半での値動きが続いた。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は欧州議会で「ユーロ圏の銀行セクターは底堅く、十分な資本や流動性を有している」「ECBは市場の動向を注意深く監視」「物価と金融の安定を維持するため必要に応じて対応する用意がある」などと述べた。

 ドル円は続落したものの、下値は堅かった。終値は131.32円と前営業日NY終値(131.85円)と比べて53銭程度のドル安水準だった。日本時間夕刻に一時130.54円と2月10日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らぐ中、欧米株価が底堅く推移するとリスク・オフの巻き戻しが進んだ。米長期金利が上昇に転じたことも相場の下支え要因となり、24時過ぎには一時131.84円付近まで値を戻した。

 ユーロ円は小反発。終値は140.82円と前営業日NY終値(140.67円)と比べて15銭程度のユーロ高水準。欧州序盤に一時138.83円と約2カ月ぶりの安値を付けたものの、UBSがクレディ・スイス買収を決めたことを好感して欧州株が持ち直すと投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いが優勢となった。ダウ平均が一時410ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、24時過ぎには141.41円付近まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:130.54円 - 132.65円
ユーロドル:1.0631ドル - 1.0731ドル
ユーロ円:138.83円 - 141.85円

(中村)
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