欧州マーケットダイジェスト・23日 株安・金利低下・ユーロ失速

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=130.85円(23日15時時点比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.22円(▲0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0868ドル(▲0.0036ドル)
FTSE100種総合株価指数:7499.60(前営業日比▲67.24)
ドイツ株式指数(DAX):15210.39(▲5.80)
10年物英国債利回り:3.360%(▲0.091%)
10年物独国債利回り:2.195%(▲0.133%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
                 1.50%に引き上げ   1.00%
ノルウェー中銀、政策金利     3.00%で据え置き   2.75%
英中銀、政策金利発表       4.25%に引き上げ   4.00%
3月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)▲19.2     ▲19.1・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は方向感に乏しい展開だった。時間外の米10年債利回りが3.51%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い結果となったことが分かると、一時131.66円と日通し高値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが3.42%台まで低下すると円買い・ドル売りが優勢に。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止が近いとの観測が高まる中、ドル売りが出やすい面もあった。市場では「一目均衡表雲の下限131.49円がレジスタンスとして意識される」との声も聞かれ、130.65円付近まで下押しした。
 もっとも、アジア時間に付けた約1カ月ぶりの安値130.42円手前では下げ渋った。

・ユーロドルは伸び悩み。前日のナーゲル独連銀総裁やラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のタカ派的な発言で、欧利上げ長期化観測が高まる中、アジア市場では一時1.0930ドルと2月3日以来の高値を付けた。FOMCを受けて、米利上げ休止観測が強まったことも相場の支援材料。
 ただ、欧州勢参入後は利益確定目的の売りなどが優勢となった。米長期金利が上昇した場面ではドル買い戻しが強まり、一時1.0867ドル付近まで下押しした。
 もっとも、ECB理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁が「ECBは5月の理事会で追加利上げを行う必要がある可能性」などと発言すると、1.09ドル台前半まで持ち直している。

・ポンドドルは一進一退。FRBの利上げ停止が近いとの観測が高まる中、欧州序盤に1.2344ドルと日通し高値を付けたものの、英中銀金融政策委員会(MPC)結果公表後は1.2265ドル付近まで下落した。
 英中銀(BOE)はこの日、政策金利を市場予想通り0.25%引き上げることを決めたほか、「インフレ率の急上昇はこれまでの予想よりも早く鈍化する」との見通しを示した。

・ユーロ円は上値が重い。22時前に一時143.20円と日通し高値を付けたものの、3時過ぎには142.13円と日通し安値を更新した。ユーロドルの失速につれた。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。前日の米国株相場が急落したことを受けて、投資家心理が悪化すると株売りが先行したものの、売り一巡後はじりじりと買い戻しが入り下げ幅を縮めた。なお、BOEはこの日、政策金利を市場予想通り0.25%引き上げることを決め、「インフレ率の急上昇はこれまでの予想よりも早く鈍化する」との見通しを示した。

・フランクフルト株式相場は4日ぶりに小反落。前日の米国株が終盤急落した影響で独株にも売りが先行したものの、本日の米国株が反発すると買い戻しが入り下げ幅をほぼ取り戻した。個別ではコメルツ銀行(4.14%安)やドイツ銀行(3.18%安)、コベストロ(1.49%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。FRBの利上げ停止が近いとの観測が高まる中、前日の米債高を受けて独国債にも買いが入った。

(中村)
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